裏切り者

□悪夢U
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……彩花が部屋に戻っていった後、僕は彩花と話がしたくて、彩花の部屋に行った。





ガチャッとドアを開け、彩花の部屋に入る。





彩花は荷造りしていた。





本当は出ていってもらいたくない…




『…………チョロ松兄さんどうしたの?』




「……本当に出ていくんだね」




『まあ、仕事…だしね。』




「……仕事…?何をしてるの?」




『国軍の狗…だよ。国家錬金術師…なんだ。ボクは。』




国家錬金術師…聞いたことがある。


確か、普通の人にはない能力を持って本当に苦しんでいる人が多いんだっけ……。





『ボクは…能力のせいで人を傷付けたくないから、兄さん達とは全く口を利かなかったんだ。』





ニヘッと笑ったその口は、少し悲しめだった。





『……チョロ松兄さんも、ボクの顔見たら引くよ?絶対』





そんな引くくらいキモいなら逆に見てみたい。




パサリと彩花はフードを取った。





え…めっちゃ超絶可愛い。





待って!超絶可愛い!!





僕は無音カメラで彩花の素顔を撮る。





『ほら引いた。』




多分、漢字は「引いた。」じゃなくて「惹いた」だと思う。




僕の心臓が早くなり、頬に熱がこもる。




「か…わいい…」




やっと出た声は途切れ途切れになってしまった。




『嘘だ〜。赤くして引いた顔したって説得力ないよ?』




いや、逆にあるだろ!!(・・;)





『あ〜〜もっとボクが可愛ければ、トド松兄さんや皆に甘えれたんだろうけど…ま、不細工だから仕方無いよね〜』






もしかして、彩花って超絶天然?←





『……チョロ松兄さん、ご飯になったら起こして。ボク寝る。』




!?



「寝るのは良いけど、待ってる時間暇だし、物色してていい?」




『良いけど…物色てwもっと言い方あるじゃんwwじゃ、よろしく。おやすみ』




彩花はそう言って、布団の中に潜り込んでいった。





数分経ってから、彩花の寝息が聞こえた。





「……」




僕は彩花に言った通り、部屋の中を物色し始めた





なんかドラゴンのような模様が入った時計を見つけた。





懐中時計かな。





それを開くと、幸せそうに笑っている彩花と、彩花に似た幸せそうに笑っている女の人と男の人が写っている写真を見付けた。





多分、彩花の本当の両親だ。





そっくりだし、何よりの証拠が、彩花が本当に心を開いているから。




『──かな─で…』



いきなり彩花が何かを言い始めた。




『置いてかないで…ボクを…






"独りにしないで"…─』




「っ…」





彩花が泣きながら寝言を言っていた。





『お父様を…殺さないで…
お母様を連れてかないで…



独りにしないで…











殺さないで?




彩花の親は…殺されたの?





こんな幸せそうに笑っている家族が何をしたの?





『……』




バッといきなり彩花が起きた。





少し震えながら、泣いていた。




『起こしてって言ったけど…もう良いや。チョロ松兄さん、出ていって。ボク一人になりたいから。』





僕は「うん」と言い、彩花の部屋から出ていった。





僕は、自分達の部屋に行き、寝転がった。





と「チョロ松兄さんどうしたの?なんか元気無さそうだけど…。もしかして、彩花が何か言ってきたの!?」



「嫌…何であんな超絶可愛い彩花を僕は虐めてたんだろうな…って思ってさ。」




と「は!?超絶可愛い!?チョロ松兄さん、目可笑しくなった?」





僕はムッとして、さっき撮った彩花の素顔をトド松に見した




と「え、待って!マヂで超絶可愛いんだけど!!(・・;)」




「な?」



と「そんな可愛い素顔を何で隠してるかな…」



「本人曰く、『ボクが素顔を見せたら絶対皆引くもん』だってさ。
絶対惹くって漢字間違えてるよ。」



可愛いのにもったいない…




「てかさ…彩花の両親って殺されたんだね…」



と「え、そうなの?」



「うん。彩花が魘されてるときに言ってた。」



と「……だから羨ましいって言ってたんだ…。」



……多分、そうだね。



と「……僕、彩花の所行ってくる。」



「分かった。待ってる」




武運を祈るみたいwww





 
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