lemures(霊)

□そこはかとない不安
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  「「刀ぁーっ!?」」


  「いわゆる日本刀でしたわ」


  「それを使わはるのですか?」
  

  「そーですよー」


  「そ、それをどう使うの?」


  「どうって・・刀は切る道具でしょ」
  

  「霊を切っちゃうの!?」


  「切るよー、後ろから
   頭をぶった切るのが基本」


  「えげつないわねあんた・・・」


  「会話をしていたと聞いたが?」


  「刀がしゃべるの!?」


  「あんとき刀と話してたのか?お前さん」


  「あー・・・それも説明すんの?」


  「当たり前だ」
  

  話すまで帰さんと言わんばかりの
  ナルの強い視線に深いため息が出る
  

  斬魄刀がどうして
  しゃべるのかと聞かれたって
  どー説明したもんだか・・・・
  

  とりあえず本体で呼び出すか


  (『まるで見世物だな今日は』)


  「どーせ原さん以外には
   視えないんだからいいじゃん」


  「まあっ!可愛らしいですわね」


  (『そうだろう、そうだろう』)


  「ちょっと!何なのよっ!」
  

  相棒が私の肩のうえにチョコンと
  姿を現せば原さんの表情が輝く
  

  相棒は“可愛い”と言われて
  得意げに胸を張っている
  

  やっぱり女の子に青い顔して怖がられて
  ちょっとショックだったらしい

  「何が居る」


  「だから相棒」


  「その子も相棒なのですか?」


  「んー、“も”って言うかこれが相棒」


  「?」


  「ちょい待ち、一体何が居るんだ?」
  

  「・・・梟でしょうか
   掌くらいのモコモコした鳥が
   真壁さんの肩に乗っています」
  

  「えーっ!可愛いっ!」


  「ええ、とても可愛らしいですわ」


  「ふふふっ」

  “うーっ視えない!”と悔しそうに
  私の肩の上らへんを
  凝視する麻衣に笑いがもれる
  

  私も自分の相棒は可愛いと常々思っていた
  こちらの世界では
  本体を常に呼べることに喜んだものだ

  「刀と梟が同じ相棒って
   どういうことだ?」


  「んー・・・あくまでも
   私の持論というか
   憶測になりますけど説明します?」


  「かまわない」
  

  さも“とっとと話せ”とせかすように睨む
  ナルから視線をそらして考える
  

  “浅打ち”と呼ばれる刀を
  死神は常に所持をする
  

  そして時間をかけて
  自分の霊力・霊圧を分け与え続け
  結果、付喪神のようなものを
  生み出すのではないだろうか?
  

  それが私の相棒で
  死神が“斬魄刀の本体”と
  呼ぶモノではないだろうか?
  

  なんてことをこちらに生まれて
  考えたが正解かどうかはわからない
  

  だってわかる人も調べてくれる人も
  いないんだもん
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