hortus(庭)

□これが現実
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  「・・・・・・・・ん?」

  パチリと目が覚めて
  見えた天井に違和感を覚える


  私の部屋はこんなだっただろうか?


  ゴロンと寝返りをうち
  部屋を眺めれば勉強机が見え
  近くにあるクローゼットには
  制服がかかっている

  「は?」

  寝室に机なんかなかったはずだ
  いや私の家に勉強机なんぞない
  

  緩慢な動きでベッドから起き上がり
  あたりを見れば
  そこは私の部屋ではなかった

  「ここどこ?」

  昨日はちゃんと自分の家に帰ったはずだ
  夕食作るのが面倒で
  コンビニ弁当ですませたのも
  ダルイと思いながらもシャワーを浴びて
  ベッドに潜ったことも覚えている


―ガチャリ―
  

  ベッドから降りて部屋の扉を開ける
  そこには階段が見えた

  
  「んー・・・・・」
  

  あきらかに自分の家じゃないことを
  再確認してしばし考えるが
  目が覚めたら知らない家にいた理由なんか
  考えたところでわかるわけない
  

  そう結論付けてとりあえず
  この家の住人を探そうと階段を下りた
  

  「意味がわからん」
  

  とりあえず家を歩き回った結果
  今ここには私しかいないことがわかった
  

  二階は物置になっているらしい部屋と
  私が起きた部屋
  

  一階にはリビングにキッチンに和室
  お風呂場にトイレ


  普通の一軒家だと思われる
  

  そして最も不可解なものはリビングの
  テーブルの上に置いてあった書類

  
  『私立 立海大付属中学校』と書かれた
  編入の手続きが終わったとしらせるもの
  

  イヤイヤイヤイヤイヤ・・・・・・・
  

  それ“テニプリ”
  存在しちゃおかしい学校


  それにとっくに成人してるんですけど?
  

  まさか上の部屋にあった制服は
  立海の制服なのか!?


  そう言えば
  見覚えがあるような気がする


  ・・・・・・えぇ!?
  

  自分の名前の書かれた
  あり得ない書類を片手に途方に暮れた
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