小説エリア・緑の森

□Dear Saiyans 番外編 Happy birthday Chris
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「クリス、大丈夫か?」
バーダックが部屋に入ってきた。
クリスはベッドにうずくまったまま泣き続けていた。
バーダックは、クリスがよほど傷ついていると分かっていた。
「クリス、もうそんなに泣くな。フリーザと同じ力を持ってしまったのがショックだったのは分かる。だが、お前にはニッセと同じ血を引いているんだ。フリーザの野郎とは違うぞ」
「…ニッセ叔父さんと?」
「そうだ。ニッセはお前と同じように、オレ達サイヤ人を愛していた。だから自身を持ちなさい」
「う、うぅ…、し、師匠ぉーー!!!」
クリスはたまらず泣き叫んだ。
「ははは、お前はホントに泣き虫だな。やはりそこん所はフリーザと違うな」
バーダックはクリスを優しく抱きしめた。
「よしよし、今日はゆっくり休むと良い。たまには昼寝をするのも悪くないぜ」
「はい、ありがとうございます…。本当に迷惑をかけてごめんなさい…」
「ヘヘっ、いいってことよ。じゃあ、オレは試験に行ってくるからな」
今やラディッツ達の司令官となったバーダックは、防衛隊や緊急車両の免許や資格をとる為に勉強していた。
バーダックはこう見えて戦いだけでなく、色々なことに挑戦するのが好きなのだ。
そのこともあってか、今のバーダックは惑星ベジータで暮らしている頃よりも明るくなっている。
「…いつまでも泣いてちゃダメだ。ぼくもそろそろ宿題をしなくちゃ」
クリスは涙を拭いて学習机に向かった。
クリスはノーマンの子ども達と一緒に小学校に通っている。最初こそはクリスの姿に驚いたものの、いじめられることなくクラスメイトと仲良くなっている。
サイヤ人だけでなく、地球でたくさんの友達ができてクリスは幸せいっぱいだ。
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