小説エリア・緑の森

□Dear Saiyans 第49章 孤独
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しかし、それでもフューはジタバタと暴れ続けた。だが、力自慢のサイヤ人であるラディッツとナッパを振り払うことはできなかった。
「ザマス、君たちは人間0計画とか言って、人間を滅ぼそうとしてただろ!大の人間嫌いだったのに、一体どういう風の吹きまわしなんだ!」
フューが怒鳴り返すと、ザマスはフューを睨みながら言った。
「そうだ、私は人間が嫌いだ。だが、クリスやラディッツ達から教えられたんだ。正義とは力で全てをねじ伏せるのではなく、大切なものを守るのだと。それに、例え嫌いな人間であっても、みんなが喜んでいる顔や楽しそうに笑っている顔を見ると、自分自身も嬉しくなるものだ」
「だから、なんだって言うんだ!人間を滅ぼそうとした元神が偉そうに言うな!ぼくはぼくのやりたいことをやればいいんだ!」
その時、悟空がフューの額をグッと掴んで、怖い顔で睨みつけた。
そして、静かに叱った。
「おめぇ、いい加減にしろ。ザマスだって反省してんだぞ。それなのに、そんな言い分はねぇだろ!」
「うぅ…」
さすがのフューも、悟空の覇気に負けてしまった。
悟空は続けた。
「おめぇ、父ちゃんと母ちゃんに可愛がってもらえなかったって言ってたな。でも、だからって人を巻き込むような危ないことはもうやめろ!さっき悟飯から、大切な人を失ったらどうなるって言われた時、おめぇ真っ青になってたろ?あの様子だと、おめぇに誰か大事な人いたんじゃねぇのか?」
その途端、フューは視線を落とした。
そして険しい表情で答えた。
「…人ではないけど…、鳥を飼ってたんだ…」
「鳥?どんな鳥なんだ?」
悟空は少し表情を緩めて言った。
「…小さくて黒い羽が生えた、かわいい鳥だった。その子が、ぼくの大切な友達だった…」
「…なんて名前だったんだ?」
「…ドギドギ。ドギちゃんと呼んでいたんだ…」
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