小説エリア・緑の森

□Dear Saiyans 第45章 サイヤ人とは…
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地球に住んでからかなりの月日が経ち、ラディッツ達とクリス達は幸せな日々を過ごしていた。
しかし、ラディッツとクリスの心と体の傷は未だに癒えることはなかった。

ラディッツはフリーザ軍時代、幼少時代から友達だったベジータやナッパに『弱虫ラディッツ』と罵られたり、ベジータやナッパと比べて戦闘力が低いことや、戦いと殺戮を嫌う性格ゆえに、他の兵士から酷くいじめられていた。
さらに、地球で弟・カカロットこと孫悟空と再会しても喜ぶことができず、やむを得ず戦う羽目になり、その結果ピッコロの魔貫光殺砲によって共倒れとなった。

その後、クリスがやっとのことで地球に到着したものの、ラディッツは変わり果てた姿で倒れていた。クリスはラディッツを抱きながら嘆き悲しんだその時、ラディッツは息を吹き返した。
ーが、ラディッツは重症を負い、体には監視用のチップが何個も埋め込まれていた。
クリスはラディッツを助けるべく手術に挑み、そしてノーマンをはじめとする、多くの心優しい地球人に励まされながらもラディッツを救い、その後ターレスやナッパ、ベルやジングルといった仲間達と共に、ここパオズ山の麓で幸せな毎日を送ることができた。

とはいえ、クリスは自分がフリーザの弟ということが、なにより苦痛だった。
宇宙の帝王の跡継ぎとして、兄・フリーザに育てられたが、宇宙の帝王になるには、普通では考えられない難しい勉強をさせられ、まだ幼児だった頃には医師や技術者の資格を取ったほど、過酷な幼少期を送っていた。
バーダックやラディッツと出会ったのは、まさにそんな時だった。最初はフリーザや両親から、サイヤ人は野蛮で恐ろしい種族だと教えられた為、少し怖かったのだか、実際は仲間や家族を大切にしている優しい人々であり、強い戦士と闘い、共に成長する誇り高い種族だと気付き、クリスは思い切ってフリーザ一族から足を洗った。
だか、地球でクウラとバッタリ会ってしまい、フリーザと同じ最終形態にされ、その頃からずっと心の傷を負ってしまった。
それでもクリスは、ラディッツをはじめ、大好きなサイヤ人と共に暮らしていることが、なにより幸せだ。
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