小説エリア・緑の森
□Dear Saiyans 第４９章 孤独
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ー遡ること数年前。
広大な宇宙の裏側に、ある世界がある。
それは暗黒魔界という世界だ。
暗黒魔界は、年中とても暗く、怒りや悲しみ、悪意など負のエネルギーで満たされたおどろおどろしい世界である。
ここの住人は強大な悪の心を持っており、常に争いと破壊を求めて彷徨っている。
その暗黒魔界の王こそが、あのダーブラである。
しかしダーブラは、宇宙征服の為に暗黒魔界を出て宇宙に出たところを、魔導士バビディに洗脳され、二度と戻らなかった。
その後、ダーブラの妹で科学者であるトワが、兄を上回るほどの技術力で宇宙を支配しようと企んでいた。
そこでトワは、人造人間であるミラを造り、様々な時代を飛び回って、超戦士を洗脳したり、歴史を改変させたりなどをして、ダメージエネルギーを貯めて、そのエネルギーをミラや暗黒魔界のエネルギーにしていたのだった。
そんな中、二人の間に子供が生まれた。
その子供こそが、フューである。
しかし、フューは生まれつき悪の心を持たない優しい子供で、小さな動物はもちろん、虫すら殺せなかったほどだった。
中でも、暗黒魔界に生息していた小さな小鳥をドギドギと名付け、まるで弟のように可愛がっていた。
しかし、ドギドギに目をつけたトワは、暗黒魔界の動物にダメージエネルギーを与えれば、強力な生物兵器になると考え、ドギドギを捕らえてしまう。
フューは泣きながら、母トワを止めようとしたが、父ミラに捕らえられてしまった。
そして、トワによってドギドギは生物兵器になった…かに思えたが、なんと生物兵器どころか、暗黒魔界に伝わる伝説の猛獣『災いの鳥』に変貌してしまった。
しかし、トワはこの災いの鳥となったドギドギを使えば、多くのダメージエネルギーが手に入ると思い、ドギドギにダメージエネルギーを集めてくるよう命令したものの、結局はフューの言う事しか聞かなかった。
そこでトワはフューに、ドギドギにダメージエネルギーを集めさせるように言いつけたが、争いを嫌うフューはトワ達の目を盗んで逃げる計画を立て、さらにトワ達に怪しまれないように、ある戦士を洗脳して誘拐したのだ。
ところが、結局トワ達にバレてしまい、フューの目の前でドギドギが殺されてしまった。
弟のように可愛がっていたペットを失った悲しみに蝕まれたフューは、しばらくは部屋に閉じこもったものの、ある時トワの研究日記を見つけ、この技術を使えばドギドギを生き返らせることができると信じて、実験を行い、エネルギーを集めていたのだった。