僕たちのヒーローアカデミア

□天パに悪い奴はいないC
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「真梨乃やめろ。爆豪が可哀想だ」

『あれま。焦凍はそっち側か』

「舐めプ野郎に同情されたかねぇわ!!」

『てか流石にそろそろ女湯戻る。焦凍タオルどうしたらいい?』

「あー…じゃあお前が上がった後持ってきてくれ。男湯の方に声かけてくれたら誰か気づくだろ」

『わかった。じゃあお騒がせしましたぁ』



ザパァ、とお湯から出る。タオルを巻いてると言えど濡れたタオルは身体にピッタリと張り付きラインが惜しみなくさらけ出されていた。それを男子たちは頭ではダメだとわかって居ても、どうしても見てしまう男としての性。
それが今はとても憎たらしく思えた。

そして性欲の申し子は動いた。



「やっぱオイラと一夜の夢をォォォ!!!」

「あ"っ、峰田やめろ!!」

『え?』



迫り来る悪魔に私は顔を青くしてひきつらせるしかなかった。歩くために足を一歩前に出していた足を当然のように着地させればそこにはなぜかタイミングよくある石鹸。そのまま、つるん。



『うそっ!?…っ、(ゴンッ)』

「草摩!?」

「今あいつ頭打ったぞ!?」

「草摩今オイラがいくぞォォォ!!」

「行かせるかッ!!」

「うぎゃあああああああああああ!?!?」



性欲の申し子は焦凍の氷で凍結された。
その瞬間脱衣所の扉ががらっ、と開いた。
そこから現れたのは、今ここに一番来て欲しくなかった人たち。先生たちが来た。



「なんだ、お前らまだ風呂入ってたのか?」

「?黙ってどうし………」



ブラド先生は腰に手を当てて来て、イレイザーは変に固まってる生徒たちを見て不審に思う。
そして周りを見渡せば何故か男湯にタオルは心なしかかかってるもののほぼ素っ裸ぶっ倒れて居る真梨乃。その真梨乃に今は凍らされているがどう見ても今にも襲いかかろうとしてる峰田。教員2人はそれらを見てしばし硬直。



「お前ら…俺にぶちのめされたくなかったらワケを話せ」

「先生、あの…」



焦凍は全てを2人に話した。



「…元を辿れば峰田のせいか」

「おおおおおおオイラ!?オイラなのか!?というか轟そろそろ勘弁してくれ!寒くて死にそうだッ」

「常闇、峰田風呂に入れとけ」

「承知」

「チッ…。草摩は俺が連れてくからお前らは上がるなりなんなりしろ」



そう言ってイレイザーは真梨乃を抱えて風呂場を後にした。












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『ぅ、んん、……あれ、ここ…』

「起きたか」

『…?あれ、イレイザー…。私、』

「男湯で頭打って気を失ったって轟から聞いた。そのほかの事もな。ちょうど俺らも風呂に入ってたからそのまま連れて来た。たっく…なんなんだお前のその騒ぎを引きつける体質は….。あぁ、ここは俺とブラドの部屋だ」



なるほどね。だから全然知らない部屋なわけだ。

少し体を動かせば頭に痛みが走った。
どうやら相当後頭部を強打したらしい。



『ごめん、手間かけさせた』

「全くだ」

『…あれ…』



ふと顔に手を当てると水滴が手についた。
どうやら私は泣いていたらしい。



「服はそこに置いてる。八百万に持って来てもらったから着ろ。今簡単に素っ裸に浴衣着せただけだから気をつけろよ」

『おおう』



ムクリと体を起こしてイレイザーが指差したそれを着るためにトイレを借りた。下着を身につければまた浴衣を着て出る。どこに座ろうかと少し悩み、考えた末適当に座れば、イレイザーがこちらを見た。



「魘されたが、何か嫌な夢でも見たのか」

『嫌な夢、ね…』

「おら。水でも飲んどけ」

『水に流せってか。つまんないギャグだこと』

「縛るぞ」



近くに座る彼に頭を軽く小突かれた。
私はただ、クスリと笑ってもらったペットボトルに入っている水で喉を潤す。



『…少し懐かしい夢を見た』

「そうか」

『私が殺した恩師の夢と、こっちの両親の夢』

「……」

『夢の中の両親は、相変わらずバカみたいに笑ってたよ。お母さんは綺麗だったよ相変わらず。お父さんは言わずもがなだけど。本当バカなんじゃないかな』

「先輩は少なからずバカだろうな」

『おいおいおい…』



普通にディスったよこの人。
人の親をディスったよ。
あと仮にもあんたのパイセンだろーよ。

そんな中、私はもう1つの夢の方に想いを馳せる。

 
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