僕たちのヒーローアカデミア
□天パに悪い奴はいないC
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その後、夕食となった。
お昼を抜いてでのあのマジュウ退治をしていたためにみんなの空腹度は高かった。みんなでいただきますと一言挨拶してからというもの、もう食器同士のぶつかり合う音やらなにやらいろいろとすごい。
ガチャガチャと全員がご飯を食べることに必死になっている。私もその輪に混ざっているのだが。
「うまぁぁぁぁぁぁ!!」
「五臓六腑に染み渡るッ!!」
『あれくらいの空腹でギャーギャー騒ぐんじゃねーよ。ガキかお前らは』
「そう言う真梨乃はたしかにそんなに腹減ったって言うよりただ糖分足りなかったって感じだな」
『バスの中で寝てたから糖分が足りなかったんだよ。あれは単なる私のミスだな』
くっ…。今考えればイレイザーの罠に引っかかった自分が恥ずかしいっ!
※罠ではない
ちなみに今私は右に常闇くん、左に焦凍。
向かい(斜め)に瀬呂と言う席に着席している。
「草摩はそんなに腹が空かないタイプなのか?」
『なんか久しぶりに話しかけてきたね常闇くん』
「あまり話す機会がなかったからな」
『んー、腹が空かないと言うより…慣れ、だな』
「「慣れ??」」
焦凍と常闇くんが首を傾げた。
斜め向かいの近くにいる口田くんも私の話を聞いていたらしく、可愛らしく首を傾げた。
『そう、慣れだ』
「どう言う意味だ?いつもお前飯食わないのか?」
『食わないんじゃない。食えないんだ』
「?どういう意味だ」
『金がないから』
本当、万事屋に泊まったりするときは酷かった。
金がないくせに銀ちゃんが泊まってけよ、なんて言い結局勢いに負けて泊まれば「あ、ごっめーん飯ねぇわ」とか言い出すんだよ?「人様に飯食わせることもできねぇのに宿泊させんなぁぁ!!」と何度怒鳴りつけたことか。そんなこんなで私は銀ちゃんの金欠に何度も巻き込まれて飯抜き生活を強制させられたことが多々ある。1週間を4人で小さな小さな豆パンで過ごす、なんてことはよくあったものだ。
しかもその豆パンちょっと腐りかけというもの。
ふっ…。と過去に想いを馳せていたら焦凍に思いっきり肩を掴まれ我に帰る。
「飯が食えないなら、うちに時々来ていいぞ」
『え』
「草摩の家は大変なのか。そう言えば親を若くに亡くし、知り合いに引き取られたと言っていたからな。俺たちが知らぬだけで、大変な生活なんだろう草摩。何も知らずうつけなどとずっと心の中で言っていてすまなかった」
『ちょっと常闇くぅーん!?あんた私のこと心の中でずっとバカにしてたのかーッ!?』
そんなことをされていただなんて全く考えていなかったためにある意味衝撃がでかかった。
すると今度は隣りの天然パワーを発揮された。
「真梨乃のためなら、俺からあのクソ親父に頭下げてやるから。な?」
『お前は一体エンデヴァーに何を頼み込むつもりだぁーッ!?あと最後のな?ってなんだ!!?』
「草摩糖分取ってなんとか元気になったな!よかったー、俺結構心配したぜ!」
「俺アホんなっててよくわかんねーけどさ」
『切島はありがとうと一応、言っておく。ありがとう。上鳴、お前ェがアホなのは別にいつもだ』
「草摩俺の扱い雑だな!?」
こんな楽しい(?)夕食も終わり、お風呂の時間へと変わる。
「どんなお風呂かなー、楽しみだなー!」
「おっきいお風呂って話だもんね!」
「ケロケロ。楽しみだわ」
『たっく、修学旅行生ですかー』
「いつも思うけどあんたなんでそんな冷めてんの」
『いやほら、夢も希望も全部捨ててきちゃった薄汚い大人だから』
「何それどこから突っ込めばいいの」
グダグダしながらみんなで風呂場に移動してると、先にお風呂に入っていたらしいB組の女子と入れ違いになり、廊下ですれ違う。
「お風呂どうだった?」
「おっきかったよ!しかもなんか露天だし!流石は雄英って感じ?」
「なにそれすっごい楽しみ!!」
「みんな早くいこー!!真梨乃ちゃんほらほらはーやーくー!」
『あーもうわかったからんな押すなっつーの三奈』
たどり着いた女と書かれた暖簾をくぐると温泉で温まった湿った空気が私たちの体に触れる。
それに更にみんな(複数名)はテンションを上げた。テンション高い組はぱっぱを服を脱いで走る勢いで風呂場へと行った。
私はゆったりと、もそもそとマイペースに脱ぐ。
「真梨乃さん、準備はできまして?」
『ん?あれ、待ってたの?』
「えぇ。だって楽しいことはお友達と一緒に楽しみたいじゃないですか!」
あれぇ。なんか、プリプリしてるぅ。
なんて思いながら私たちも風呂場へと足を踏み入れた。そこには合宿所とは思えないくらいにはとても豪華な露天風呂。私は入った途端足を止めた。