僕たちのヒーローアカデミア
□天パに悪い奴はいない@
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幼少期A-3
「焦凍!無事か!」
「……べつに」
「今のは小娘、お前の個性か?」
『え、あ、うん』
「そうか。焦凍を守ってくれたこと、感謝するぞ」
焦凍くん、随分早い反抗期っすか。
なんかエンデヴァーへの態度と私への態度違い過ぎてびっくりしたよ。てかエンデヴァー、小娘て。
いや確かに小娘だけども。
もうちょい言い方あるだろ。
「真梨乃、外で個性使うのはダメだって言ったろ?」
『なら焦凍怪我してもよかったと?』
「ふぐっ、そ、それは違うがっ!」
「ん?この娘は草摩の子だったか」
「お?おぉ、エンデヴァー、久しぶりだな。あんたも子供連れてきてたんだ」
「たまたまな」
エンデヴァーと父はそこそこ親しそうだ。
いやぁ、うん。父のコミュ力すごいよマジで。
結構関心よこれ。
「真梨乃、話戻すが公共の場で使っちゃダメだって何度か言ってるぞ?」
『ねぇマイク、イレイザー』
「パパのこと無視なの!?ねぇ真梨乃ちゃん!?パパ悲しくて泣きそうだよ!?」
「…先輩いつもの威厳はどこですか」
娘の前じゃ形無しな父。
「草摩。お前の子の個性、今のはなんだ?」
「真梨乃のは俺の個性そのまんまだよ。武器創造。なんか真梨乃はセンスあるっぽくてねぇ、俺も顔負けなんだわー」
「お前と同じか。使いようによれば強力な個性だ」
「あぁ。だからいつも真梨乃には使い方を間違うなってことだけはよく言い聞かせてる」
焦凍と話す私の頭を父は撫でてきた。なんだよ。
髪の毛ぐじゃぐじゃになるじゃんか。やめい。
焦凍は真梨乃の個性凄かった、と興奮気味に私に話してくる。子供の勢いすごい。なんかこれヒーローの話をしてる出久並のグイグイ具合。焦凍、大人しい感じの子と思ってたら違かったのね!!
「すごいねあのコントロール!」
『え、そう?』
「すごいよ!」
『それほどでもー』
キラキラ焦凍くっそかわえぇ。
つかあとこの子めっちゃ美人。
将来顔面偏差値ゲロ高いぞ確実に!!
「まだガキなのに随分とコントロールいいんだな」
『うん。イレイザー、私凄いでしょ。ね、凄いでしょ。褒めていいよ』
「あぁそうか。すごいな」
『気持ちこもってない』
「真梨乃ちゃんすげーな!リスペクト!」
『マイクってなんか元気だね』
「YEAH!」
その後、エンデヴァーが焦凍を連れてこの場をあとにした。焦凍は本当に心から父であるエンデヴァーが嫌いらしい。私と別れるときの顔ひどいったりゃありゃしない。びっくりだよ。美人な顔もそんなに崩れるとすごいもんだな。
「ま、何にせよ俺の娘は天才だろ後輩達よ!自慢の娘だ!オマケに身体能力もずば抜けててさぁ…。我が子ながら才能マンならぬ才能ガールだよ」
「真梨乃ちゃんは将来何になると思う?イレイザー」
「俺が知るか」
なぜ本人目の前にして隣のイレイザーに聞いた?
「真梨乃は将来何になりたいんだ?パパ聞きたいなぁ」
『んー、無難にニート?』
「「無難にニート」」
無難じゃねぇよそれ。つか働けよ、と父とマイクは顔を引き攣らせた。ニートと言うと前世の双子の兄が思い浮かぶ。いやあれはニートではないんだよな一応。ただ仕事がないだけなんだよな。うん。そんなことをただ考えていると、イレイザーが頭を撫でてきた。頭撫でるの好きなのかな。
『ってのは嘘だよ』
「そ、そうか。よかった……」
父は安心したようだ。
『お父さんみたくヒーローでもいいかもね』
「お!?まさかのヒーローも候補にあるのか!」
『なくとなく』
「なんとなくか。でもヒーローは辛いぞ?ヒーローはそりゃもう体張るからなぁ」
そりゃそうでしょうね。
『お父さん頑張ってるんだね』
「そうなのパパ頑張ってるの。だから癒してちょうだいマイエンジェル!!」
『きめぇ』
「顔!!顔までなんかすごいことなり始めてるからやめてくれ!!」
やっぱりどう見ても親子漫才。
『……お父さん』
「うん?どした?」
『……眠い』
「急だな。……あー、でもいつもそろそろ寝る時間だもんな。眠いわな。抱っこするか?」
『んー』
眠いから父に擦り寄ればあ"ー、可愛い。と呟く父。このデレデレ具合には周りも呆れ気味だがなんとも微笑ましい光景に皆笑顔だった。
寝る子は育つ、ということで私は睡眠欲に勝てず、父の腕の中で眠ってしまったのだった。
(真梨乃ちゃん、なんか大人っぽいスよね)
(ろくに相手してやれないからな俺。無理させてんのかなぁ)
(まぁ、賢い真梨乃ならちゃんとわかってると思いますよ、俺は)
(相澤に慰められた)