僕たちのヒーローアカデミア
□天パに悪い奴はいない@
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幼少期A-2
「久しぶりだなお前ら。こいつは俺の愛娘の真梨乃だ。ちゃんと会うのは初めてだよな。ほら真梨乃よろしくは?」
『草摩 真梨乃です。お父さん甘いのなんかとってこいよ』
「よっしゃ任せろ!!」
「娘に顎で使われてるぜ先輩……」
いつの間にか私のあとを追ってきてたらしい父は目のも止まらぬ早さでスイーツを持ってきてくれた。まさかこんなところでプロヒーローの実力見るとは思わなんだ。
父の溺愛ぶりは父の事務所の相棒さんたちにはバレてる。だから私的にはもうこのプロヒーロー界に広がるのも時間の問題だと思ってる。父の持ってきた皿もりもりに乗せられたスイーツを食べていると父は抱きついてきた。
『暑いから抱きつかないで』
「子供体温最高!」
『きめぇ』
「だからその言葉誰から教わったの!?なに!?もしかして爆豪くんとか!?」
『勝衛門くん風だと"抱きつくんじゃねぇキモイんだよカス"』
「ぐさぁ!!パパ、ハートに超深手負ったよ!?ぐさぁ!!!てか爆豪くん口悪!!……てか勝衛門って爆豪くん?あれ?勝己くんだよね、名前」
『……』
「無視!!」
周りのプロヒーローたちは私たちのやりとりに笑ったり苦笑いしたり様々だ。マイクは普通に笑って、イレイザーははぁ、とため息ついてた。
「昔見せてもらったあの写真の子がこの子だったんですね先輩」
「そうそう。赤ん坊の頃の写真しか見せたことなかったもんな。びっくりしたか?」
「一気に年取った気分っす。な、イレイザー」
「……。」
「まぁ、それはなんかわかるわ。人の子供だと特に成長早く感じるからなぁ。うちの真梨乃は俺の嫁に瓜二つでな、美人だろ?俺の要素あんまなくてさぁ。言うならこの死んだ魚のような目?俺も時々するじゃん」
「「そこ一番似て欲しくなかったです」」
「おいこらどういう意味だ」
彼らはとても仲がいいらしい。私は周りをキョロキョロしてみるとまたイレイザーがしゃがんできた。なんだ?と私も彼を見る。
何故かは知らないがあっちから見てきたのに何も喋ってくれない。え。なにこれ。純粋にこれなんの時間?ひとまずわかりやすく首をかしげてみた。
すると頭をわしわしと撫でられた。なんでや。
「なんだ、相澤も真梨乃の可愛さに気づいたか!可愛いだろ!?俺の娘!」
「奥さん外人だって言ってましたもんね。日本人顔してなくて珍しい」
「珍しさ本意かお前」
「ヘイ、リトルリスナー!俺はプレゼントマイク!マイクって呼んでいいぜ?」
『マイク?』
「……先輩、娘さんちょー可愛いっす」
「だろう山田!!!」
ちょっと待てどゆこと。お前らなにいきなり盛り上がってんだ。しかしなんか暇なので、といえど盛り上がる父やマイクのところに飛び込むほど馬鹿ではない。だからイレイザーの足にしがみついてみたらふわりと抱っこしてくれた。
……君よく見たらイケメンじゃないの。
にへ、と笑ってギューッと抱きついてみたら彼がくすりと笑うのが分かった。この人いいわ。
なんか安心する。
「…真梨乃が…誰かに抱きついてるだと?」
「先輩何驚いてるんスか??」
「?」
「相澤…お前一体どんな手を使った!?」
「いやなんの手も使ってないですけど」
「なぜ!?」
「いや先輩なんの話してるんスか!?」
ガーン、と効果音がつきそうなほどショックを受けてる父。無視だ無視。
「真梨乃はな!警戒心の塊なんだ!滅多に抱っこなんかさせてくれないんだぞ!?無理にするものなら頭突きされた上にメガネさえも突き破る目潰しされるんだぞ!?」
「いや怖すぎっしょそれ!!」
「お前そんなことしてんのか?」
『お父さんだけだけど』
「だ、そうですが」
「ウソだろ!?」
だってお父さん一度抱っこしたら全然離さないんだから仕方ないよね。降りるための攻撃だよね。つかそこまでしないと降ろさないあなたもあなただと思うのだけど?
「真梨乃…ウソだよね!?そんなっ、パパの前で相澤と浮気しないでー!!」
「……先輩頭湧いてんですか」
「イレイザーもう少しオブラートに包んでやって」
『頭イカれてんの?』
「真梨乃ちゃんの方がストレート!!」
そろそろ降りないと家でいじけられそうなのでそれは阻止したい。めっちゃ面倒臭いから。
イレイザーから降りると私は再び探検でも開始しようかと周りを見る。その時だった。私の視界に男の子と今にも転びそうなスタッフがいた。スタッフが持つものはスープらしきもの。あんなものを頭から被れば火傷に決まってる。めんどくさいと思いつつも私はすぐさまナイフを創造し、ぶん投げる。
するとそれはスープの皿にあたりその男の子の頭の上からずれ、その子の前に落ちた。
あービックリした。
スタッフの持っていたスープたちは全てこぼれ、器は全部割れた。これこの子に当たってたら中々な怪我になってたぞ。ここにいるってことは私同様にヒーローの息子だろう。そのヒーロー怒るぞ子供に怪我させたら。周りの人たちは今何が起きたのかわからない、と言いたげな顔で私たち親子を見ていた。
私はキョトンとしてるその男の子を見た。よく見るとなんか派手だった。左右で違う髪の色に眼の色。そして左目あたりを覆う大きな火傷の痕。
一度見たら忘れないわこれ。
その子に駆け寄り、一応話しかけた。
『大丈夫?』
「え、あ……あぁ、うん」
『なら良かった』
「っ!…えと…君が、助けてくれたの?」
『うん』
「そ、か。ありがとう。名前聞いてもいい?」
『?草摩 真梨乃。君は?』
「とどろき、しょーと…」
『焦凍。覚えた』
「うん」
なんだろうこの子。きょとーんってしてる。何が起きたかわかってないんだろうが…可愛い。出久に勝るとも劣らない可愛さの持ち主現る。
なんだこれは。けしからん。
すると私と父と後輩組、そしてこの子の父だろう人が来た。……エンデヴァーやん。でか。