僕たちのヒーローアカデミア

□天パに悪い奴はいない@
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幼少期A





ある日、私は家で寝ていた。

浮き上がる意識のまま瞼を開けると、私の視界にまず入ってきたのは見覚えのない天井。不思議に思いつつ体を起こし、自然に自分の体を見れば見覚えのない格好をしているではないか。



『…?なにこれ』

「あ、起きた。真梨乃の寝顔、可愛かったよ!」

『お父さん?』

「今からお父さんの高校の用事があってな!友人に無理やり呼ばれちゃってね。真梨乃置いていくわけにも行かないし、だからこの際家から拉致って連れてきた!」

『何してくれちゃってんのあんた』



今いる場所はホテルのロビーのようなところ。
私の格好は可愛らしいワンピースになっており、髪も可愛くアップされていた。いつもなら人の気配で気づくのに……。昼間に勝次郎くんと死ぬ気の鬼ごっこ(別名リアル鬼ごっこ)やりすぎたか…。

でもお父さんの出た高校って…確かあの有名な雄英高校だったはず。勿論ヒーロー科の。そんなすごい集まりに娘連れてくるってどゆこと。
つかその前に家に帰せ。眠い…。



『私行って大丈夫なの?』

「全然OK!なんて言うのかなぁ、同窓会っつーか、親睦会っつーか?でもまぁ、いろんなヒーローに会えるぞ!楽しみにしとけよー」



そう言って父は私を抱き上げ、会場へと踏み入れた。その瞬間世界は一変。あちこちにたくさんのバトルコスチュームに身を包むヒーローたちがいた。
テレビでよく見る人たちもいる。流石は雄英高校のOB、OGたちだ。どうやらこれは同窓会ではなく、雄英高校ヒーロー科卒業生たちの親睦会らしい。新人からベテランまでがいる。数年に一度こういうことをして関わりを保つようにしてるようだ。



「おぉ、懐かしい奴らいっぱいいんなー!」

「ムム?草摩くんじゃないか!!」

「んー?あ、オールマイトじゃんか!!久しぶりっすね!」

「HAHAHA!そうだな!おや、こちらの可愛らしい少女は…」

「俺の愛娘っす。妻もう他界しちゃって今は俺一人で育ててます」

「なんと!それは凄いなぁ!」



生オールマイト。実に濃ゆい。
おいおい、これマジで日本人か?
なんでこんなアメリカーンなの。
お前日本人なんだろ。

オールマイトはにこりと笑って私に顔を近づけた。



「はじめまして草摩少女!私はオールマイトだ!知ってるかな?」

『……近い』

「そ、それは失礼した…」

『オールマイト知ってるよ。人気No.1ヒーロー』

「それは光栄だ!」

「でも真梨乃はオールマイトじゃなくて俺のフォロワーだもんな!」

『ちょっと何言ってるか分からない』

「なんで!!」



親子のコントのような会話にオールマイトは高らかに笑った。私は父に降ろしてもらうように頼むと簡単に下ろしてくれた。父とオールマイトが話を始めたので私は暇になる。だから探検してくると伝えると程々にな、と言われた。

どうやら今日は多くの友人と語り合いたいらしい。いつもの鬱陶しい様子からはわからない父への信頼度が良く見えた。どうやら父はプロヒーローたちから相当信頼されてるらしい。



あっちへフラフラ、こっちへフラフラしていたら誰かの足にぶつかり尻餅を私はついた。



『へぶふっ』

「ん?」

『……ごめんなさい』

「いやこっちもぶつかって悪かった。怪我は?」

『ない。…うわ、小汚…イレイザーヘッド?』

「……聞かなかったことにする。に、しても俺のこと知ってんのか」

『お父さんから写真見せられた』

「お父さん?」



彼は私の目線に合わせるようしゃがむと、私の言葉に首を傾げた。するとそのまた後ろからハイテンションな金髪が来た。知ってる。彼もまた父から写真を見せられた人だ。確か……プレゼントマイク。



「うわ、これどういうこと?イレイザーが子供に接しに行くとかあり得ねー!!」

「うるせぇ。ぶつかったんたよ」

「あ、なるほど。……にしても子供にしてえっらい美人な子だな」

「そうだな」

「ヘイ、リトルリスナー!お父さん、お母さん、どっちと来たんだ今日は?」

『お父さん』

「んじゃそのお父さんは?」

『死んだ』

「死んだ!?」



マイクはホワッ!?と驚いていると私の頭を後ろから誰かに小突かれた。



「真梨乃、パパ勝手に殺すのはやめような」

『ジジイ』

「「先輩」」

「ジジイやめて。そんな歳とってないから。てかおじいちゃんじゃなくてパパだからね」



イレイザーとマイクは父に向かって先輩と言った。

先輩なのか、お父さん。知らなかった。

するとマイクが父から目線を私に戻しお父さん!?と聞いてきた。

 
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