僕たちのヒーローアカデミア
□天パに悪い奴はいない@
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幼少期@
転生なんてあるわけがないと思っていた。
まず輪廻転生という言葉を信じていなかった。
そもそも私は神だの仏だの、どうでもよかった。
この手で数え切れぬほどの敵を殺してきた。
死んだら地獄とかそういうのに行ってどうせずっと苦痛を味わうんだろうと思っていた。
そう、ずっと。
この日までは。
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「あぁ、母さんにそっくりな美人な子だなぁ!」
「ふふ、私たちの可愛い子……真梨乃……」
わぁお。誰この美人。
視界に入るのは全く知らん男女。どちらもとても美形な顔つきで、美男美女だった。ひとまず言おう。美人なねーちゃんとその脇のおっさん誰だ。
『あう(誰)』
「おおっ!喋った!」
「喋ってないわよ、もう。ふふっ」
え?喋れない?てかあれ!?手ちっさ。猿かよ。
視界に入る男が可愛いでちゅね〜、と赤ちゃん言葉を私に言ってきた。なにか答えた方がいいのかと思い答えるも今の私は「あぁー」と手足をパタパタさせることしか出来なかった。
そこで流石に私も気づいた。
自分が赤ん坊になっていることに。
私は確か病を患って死んだはず。
しかしこうして赤ん坊になっているとは…。
これは…あれか。転生か。
「真梨乃〜、可愛いなぁ」
私の名前、まさかの前世と同じか?何たる奇跡か。
てかさ?って事はこの人たちは…
私の両親ってことか?
……親か。
今更気づいたこの人達との関係性に目が点になった。そんな時だった。父と思われる男の携帯が鳴ったのは。すぐさま電話に出ると私が生まれた故にかハイテンションなまま「はいもしもしぃ↑」と電話に出た。そんなハイテンションも通話を続けていくと冷静さを取り戻し、電話を切った。
「仕事?」
「あぁ。ヴィランが暴れてるそうでな。応援頼むって言われた」
「そう…頑張ってきて」
「あぁ。真梨乃、お父さんはヒーロー活動してくるぞ!」
……ヒーロー活動?何言ってんだこいつ。
父(?)は抱いていた私を母(?)に渡すと出ていった。今は生まれ落ちてすぐだからここがどんな世界なのかわからない。だが今はわからずともいずれ分かるだろう。
ま、ひとまず第二の人生楽しむとしよう。