私の声は届きますか?

□誰か助けに来てくれますか?
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小さい頃から夢にみた、私の夢。
それは、ただ、普通の人間としてみんなと遊び、はしゃぎたい。
誰にも怯えられることはなく、みんなに仲間と思われ、笑いあう。

でも、私の人生はこの小さな家で終わりそう。
母のあの言葉は嘘だったの?



母「きっと誰かが迎えに来るよ」


幼い私「うん!」



ずっとずっと信じて待っていた、もう何年過ぎたかと覚えていない。
自分の年齢すらも思い出せない
けれど、見た目からいうと17や18ぐらいだろうか?
それぐらいだ



『ねぇ、私はいつ幸せになれるの? いつ、ここから出れるの?』



母から教えられた言葉、外は危ないから出てはいけない。
それは本当のこと?
鳥達は外を自由に飛んでいる、猫たちは自由に寝ている。

こんな世界が危険なものですか



『誰でもいい、私を助けてよ!』



その叫んだ言葉は鳥達を怯えさしてしまい、飛んで行ってしまった。
私の友達は鳥達や猫

言葉をかわせたらなぁ

ガチャッ



『誰!』



少し期待をしていたが、後ろを振り向くと誰もいない。
そう、ただの風で開いただけ



『第一形態』



メデューサの宮古の伝説の武器、
レイラルをピアスの形に変える。
そして私は外に出た



『綺麗……』



私を待っていたのは風、草、木、太陽。
草が沢山生えている私の家の周り、草を踏むだけでも少し気が引けた。



『鳥達、こんにちは』



フフッ、と微笑むと鳥達は答えるように鳴いてくれた。
久しぶりに歩くので体力は全然ない、魔力で飛ぶと私はフラフラ彷徨った。

誰かいないか、そう考えて



『あの!』



声が裏返る、私が話しかけたのは村の子供達、私の目と髪の色、顔を見ると叫んで行ってしまった。

メデューサ、そう口にして



『ここに私を理解できる人なんていない!』



私はそう叫ぶと体力なんてないのにただがむしゃらに走った。
なんにもわからないのに、馬鹿だ

力尽きる、自分でもよくわかった
あーぁ、家にいればよかった

涙を流しながら心の中で唱えると私は倒れた

最後に聞こえたのは男の子の声



?「だ、大丈夫?!」


?「ハーレクイン〜、なにしていんだ? って女の子?!」



その声は綺麗な風になり私を包み込んだようだった。


ーーーーーーーーーーー


『あの、私! ##neme1##って言うの!』



目を覚ませば慌てて周りを見渡した、私が寝ているのは大きな葉っぱのベッドの様なもの。
周りには男の子が2人いて、心配そうに私を見ていた



?「ヘルブラム、人間の女の子だ、記憶を消して元の場所に返そう」


?「えぇ!? 俺っちやだよ!
せっかく見つけたのに……」



私の声が小さすぎたのか、私の初の自己紹介はスルーされてしまった。



『あの』



?「起きたんだね」


?「ヘルブラム、人間は危ない、駄目だよ!」


『期待に添えなくてごめんね、
私人間じゃないの』



そう、私は人間ではない。
メデューサと魔人族の血を受け継いでいる。



?「ならチミは妖精族なの?」


?「でも羽がないよ」


『それは貴方もだよ?
私はメデューサと魔人族の血を受け継いでいるの、だから人間じゃないよ!』


?「魔人族!? 余計危険だよヘルブラム」


?「俺っちにはか弱い女の子にしか見えないけどなぁ」



緑の髪の人はヘルブラム、もう1人の男の子はハーレクイン。
多分そうだったも思う。



『私は記憶を消されるの?』


ハーレクイン「ヘルブラム、面倒ちゃんと見れるの?」


ヘルブラム「見れる見れる!」


ハーレクイン「仕方ないなぁ、君の家でちゃんと面倒見るんだよ?」


ヘルブラム「わかったよ!」



私はペットかなんかだと思われてるのかな?
とにかく……ありがとうって言わないといけないよね?



『あ、ありがとう!』
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