夢見処
□1話
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その日は清々しいほどの青空だった。
「優、じゃあママたち行ってくるわね。」
「いい子にしてるんだぞ!」
「うん、もちろんよ!
だって私もう6歳だよ。」
少女が得意げに答える。
「はは、そうだったね。
・・・じゃあ行ってくるね。」
「行ってらっしゃい、パパ、ママ!」
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「まだ帰ってこない・・・。」
もうとっくに帰ってきてもいい頃なのに・・。
少女が不安げに呟く。
その時
リンリンリン
不意に電話の音が部屋に響く
「パパたちかな?」
遅いこと怒ってあげるんだから!と意気込みながら電話を取る。
「もしもし、パパ、ママ?
もぉ〜おそいy『もしもし佐野さんのご自宅ですか?・・・落ち着いて聞いてください。
佐野春樹さんと美香さんがお亡くなりました。』・・・ぇ?」
『とにかく今から迎えに上がりますので少々お待ちください。よろしいでしょうか?・・佐野さん?』
電話の向こうの男性の声が遠のく___