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□第六話「鬼姫の目にも涙」
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廊下を歩いている武光振蔵


「待て 武光振蔵」

不意に声がした

「何奴!!!」

当然振り向く

そこには男が立っていた

左腕に腕章

「貴様 何だその格好は

制服着用の校則を知らん訳ではあるまい」

男の問いにかけられた振蔵

「あ はは… あいや済まぬ

これは武士の嗜みでござって…」


「部活動 参加禁止 二週間

明日までに反省文を提出」

と言われた さすがに振蔵も納得が出来ない


「何を申しておる! おぬし何者だ!?

教師でもない者にそのような事を言われる筋合いはござらん

それ程拙者の信念が気に入らぬのであれば…

腕ずくで来られよ」


自信満々に言った

しかし、その男にとってはお構いなしに―


ドガッ


壁を壊した


そして―

「貴様のポリシーなど知った事か

ウチの教師は校則に甘いが

ボクはそうはいかん



生徒会執行部だ 筋合いならある」


その男 名を 副会長 椿 佐介






















私は 生徒会の仕事があったので

今スケット団の部室に向かっている

〈結構 仕事あるんだね〉


仕事と言ってもただの書類の整理

書類は書類でもかなりの量だった為

遅くなってしまった


奏功してる内に部室に着いた


―ガラッ―

〈ごめん!! 遅くなっt…〉


え!? 何? もしかして私…KY?

「あ 美月」

ボッスンが私の存在に気づいたのか
声をかけてきた


〈何かあった?〉


みんな悔しそう、なおかつ 悲しい顔をしている


どうやら、私が来る前に椿が来たらしく

いきなりヒメコとスイッチの過去のどうたらこうたら言われ

そして、モモカのことも言われ

スケット団を廃部するとか何とか言われたらしい


だが、その時丁度 ヤバ沢さんが来たらしく


実は来週ますら幼稚園で劇をやる事になっていたけど

劇をやる劇団の人達が事故に遭ってしまって中止しようとしたんだけど

園児達が楽しみにしてる為中止に出来ず


んでスケット団に劇をやってもらたい

という依頼を引き受けたんだけど

何故か生徒会もやることになって

勝負する事になったらしい


〈成る程…〉


話は分かったけど…

「うう… スミマセン姉さん 姫

アタイのせいで…」


モモカを泣かせるなんて…

「別にアンタのせいちゃうよ」

〈そうだよ 泣かないで〉

優しく声をかける

「うう… でもぉ…」

責任感じちゃったかな…

「せやけど どないすんねん劇なんて

対決なんかせんでも良かったんちゃうん」

「あっちが ムキになってくんだから

しょーがねーじゃねえか それに…


何か腹立つんだよ アイツ

人の過去がどーのこーのって

うるせっつーの」


この言葉にヒメコとスイッチはどんな感情をしてたのかは知らない

知るのは 本人だけ


「あんなヤツには ぜってー負けねえぞ

さっさく準備だ!!」


「おう!!」





















生徒会室


「ふーん それで対決する事になった訳?

まあ お前らしいと言うか何と言うか…」

「許可いただけますか?」

「許可も何もそーゆーの全部お前に

任せてんだから ま 好きにやんなよ


オレは楽しみに見さしてもらうわ」






















スケット団 部室


「劇は知り合いかき集めてでも

自分達で何とかやるしかねえ」


〈でも問題は 衣装とか大道具

あんまりしょぼいと生徒会の人達には

勝てないよ〉


「でも どやって用意すんねん

貸衣装借りたりするお金もないしやな

素人の手作りなんてそれこそ

目も当てられんで」


劇をどうやって作るか考える中

突然―


『【さすがスイッチ】のコーナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆』


スイッチがノリノリに言った


「何だ お前おもむろに 今 真剣に会議してんだョ!!!」

「そんなコーナー誰も憶えてへんちゅーねん!

空気読まんかい ホンマしばくで!!!」

と2人からヤジが飛んでいるが


『オレの情報網をフル活用して調査した結果

最近解散したある小劇団の倉庫に【白雪姫】の道具類がそのまま残っている事が分かった

メールでこちらの事情を伝えて交渉したところ

是非譲りたいとの返答をいただいた』



<さすがスイッチ!!!>


「もう 抱いてくれ!!! いいから このオレを抱いてくれ!!

無能なこのブタを!!」

『いいのかい?』

「いや言われへん さすがにアタシは

それは言われへん」


〈私も〉


何か変に思われるよね…























一方 その頃 生徒会室 では―


「ピーターパン?」

「演劇部で用意できる演目では一番子供向きですし

昨年の学園祭でも主役のボクの演技が好評でした へへへ…」


演劇の打ち合わせをしていた

そして こう語るのは

演劇部 部長 北大路 正也


「演出をもっと派手にしてヒーロー路線を全面に推し出せば

きっと子供にもウケるでしょう」


「なるほど分かった ではそれで行こう

演出の指揮はボクが執る いいな?」

「ええ そりゃもう

ところで その… 対決とやらに

勝った暁には……………」

「分かっている 部費のアップだろう?

いいな 丹生」

「はい」

「(くくく…この生徒会は アホみたいに金を使うからな うまく利用すりゃガッポリいただけるぜ)」


こんな事を思ってるというのは誰も知らない

「それから照明システムを一新する」

「ん?」

「空中浮遊用の装置も用意してくれ」

「はい … 空中浮遊!?

え? もしかして ワイヤーとかで飛ぶんすか?」

「ピーターパンなんだから当たり前だろう

勝負は勝たねば意味がないのだ!!」

「は…はい」

勝つことにこだわる椿

さて… その考えは正しいのか―


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