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□第十五話「13日の過ちのエンジェル」
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とある日 スケット団 部室―

「おお うめー! なかなかいけるぜ ヒメコ このクッキー」


〈うん!!美味しい〉

「ホンマ!?」

今ヒメコが作ってきたクッキーを食べている


「ああ 手作りとは思えねーぜ」

『スケットマークの形もよく出来ている』

〈料理も上手だし ヒメコはいい主婦になりそう〉

「ああ なるなる 10年後ぐらいにオレと結婚すっかくぁっくぁっくぁっ」


え!? 何言い出した!?

「な…何やそれ!! 何言うとんの!?

お前それ本気で言うとんのか!!」

「え?何で?冗談に決まってんだろ」

「冗談かい!!」

冗談で言ったなら最初から言うなと自分自身そう思った


「何やあのガキ 腹立つわホンマ 女子に対して発言が無神経過ぎんねん!」

とおもむろに掃除をしている


「おい!人がモノ食ってる時に埃立てんじゃねえよ ブス女ァ!!」


〈ちょっとボッスン!! 言い方…!!〉

そろそろヒメコのアレが来る…

「何やコラ お前コラボケコラァ!!

お前のデリカシー バッキバキか!!

どんだけ欠けとんねん!!

もうええわ ちょお表出え」

とボッスンの襟を掴みズリズリと引きずってる

「あっ あっ やだやだ行かねーよ?」

「埃と一緒に叩き出したる!」


あーあ…

「スイッチ サイクロン取れやコラァ!!!」

「ひいいいいいい!!!」


〈ボッスン ドンマイ〉

としか言うようがない

ヒメコが扉を開けると―


そこにはお面?を被った?男が居た

その男を見たボッスンとヒメコは―

「うぎゃああああ!!!」

「きゃあああああ!!!」

大声で叫んでしまった

するとスイッチが

『Jソン先生?』

〈ジェ…? 先生!?〉

この人先生なんだ…って全然見えない

「驚かせて すみまソン」

「「こ…こちらこそ…すみまソン」」








『ボッスンと美月とヒメコは工芸を選択していなかったから 知らなかったな
工芸の教師 孫純一先生

ほとんどの生徒からは親しみを込めてJソン先生と呼ばれている』


「さっきはえらい すんまへんでした」

「何か…遠慮なくおもっきりヒビッちゃって…」


先程驚いた事を謝る2人

「いえ…そういうのには慣れてまソから」

と言いつつも…

「全然 気にしてまソン」

〈気にしてますよね!?〉

「めちゃめちゃヘコんでる!」

「全然慣れてへんがな!!」

どんよりとしたオーラを感じる

『Jソン先生は、ガラスのハートの持ち主なのだ 人一倍傷つきやすいから気をつけてくれ』


〈それ、早く言って〉

「外見とギャップあり過ぎだろ!!」

「ちなみにホラー映画も大の苦手でソ」

「何でやねん!!いっぺん自分の顔鏡で見てみいや!!」

ヒメコがガッとテーブルを叩き立ち上がりながら言った


〈ヒメコ…そんな言い方したら…〉

拙いと思いパッとJソン先生を見たら
案の定―

「……………………」

〈あ ほら〜 傷付いた〉

「すんまソン ホンマすんまソン」

言葉遣いには気を付けるようにしないと
Jソン先生の前ではね













「へぇ お見合いねえ」

話は先生のお見合いについて

「先生 お見合いしはりますの?」

「はい…明日相手の女性とお会いする事になってまソ

実は お見合いは、これまでにも何度か した事があったんでソが

その…いつも…断れてばかりで…」


本人曰わく、緊張しやすいせいか 極度のあがり症で失敗してしまうらしい

「今まで何度も失敗してきたんでソが明日のお見合いは何とか成功させたいんでソ

私も そろそろいい歳だし両親に孫の顔も見せたいソし…」


"孫"という単語を聞いた時私は想像した
孫という顔を―

それを、想像した時思った

想像何かするんじゃなかったと…


「ま…まあ 今までの失敗は、この風貌のせいもあると思いまソが 緊張しやすい この性格のせいでもあると思うんでソ」


自分でも訳が分からなくなり
悩んだ末に相談に来たらしいと言う

「なるほどな」

「分かった 協力するよJソン先生」


〈うーん… 私が思うに 先生は顔が怖いだけじゃなく、表情も固い 全然筋肉動いてないし〉


「ホッケーマスク被ってる様にしか見えねーもん 素顔でしょ?それ」


素顔なのかマスクなのか分からない顔立ちをしている為怖い印象を与えるのでは、ないかと私は思う


「ほんでホクロも多いわー 何でシンメトリーやねん」


「ちょっと笑ってみよーよ」

「わ…笑う?」

〈そうそう 笑顔は大事だよ ほら笑って(ニコッ〉

お手本として私は笑った

すると、先生は―


《ニコッ》

「笑てへんがな!!」

〈ニコッって効果音だけじゃん!? それ以前に音がするの可笑しな話だし!!〉


「もっとちゃんと!真面目に笑ってくれよ!!」


皆が笑えと言うが

「わ…笑ってまソよ!!

口元を よく見て下さい」

そう言うので口元を注目していると

《ニコッ》

「ほらね」

「微妙過ぎるやろ!!

アカンアカン そんなん!! 何も笑て見えへんわ!!」


「笑ってるんでソよ! これでも私は家ではよく笑う方なんでソ

好きなお笑い番組を観ている時なんて もう…」


その時の笑いをやってくれたけど…

「怖っ!! 何やその笑い方!!」

〈何か企んでいる笑いにしか聞こえないんですけど!!〉

と私とヒメコがツッコんだら―

「あ またヘコんだ」

「めんどくさっ!!」

〈ごめんなさい!!〉

悄げてしまった


「さっきから聞いてるとさJソン先生

図体がでかい割に声が小さいんだよな」


〈言われてみれば 確かに

小さい声で喋る感じから余計怖いと思うんだけど…〉


「もっとハキハキ喋ったらどう?怖い外見も 男らしく見えるかもしんねーぜ?」

「それや!!」


「オレの後に続いて練習してみようぜ」

という訳で練習をするんだけど…

「私は高校で 工芸の教師をしておりまして!!

こんな顔ですから生徒からJソン先生なんて 呼ばれてるんですよ!! はっはっはっはっはっは!!」

何とモノマネをした これにヒメコは―

「ボッスンのモノマネおもしろいわー」

とクスクス笑いした

「いや ええ感じちゃう?男らしい先生やったで」

「よし!さあ先生言ってみてよ 元気よく!」

「はい…」

上手に喋られるか

「わ…私は…」

未だに小さい声だった それにボッスンは

「ダメ!! もっと大きな声で!!」

促した けど…

「私は!! き…木を切り刻んだりする教師でして!!」

言った言葉が怖い


「何それ!?」

〈練習なのに もう緊張してる!! てか、汗かきまくってる!!〉


「こ…この呪われた姿のせいで…

生徒達は私の事をこう呼ぶのです…」

ただ寄らぬオーラを感じたのかボッスンとヒメコが息を呑んだ



「そう!

Jソン先生と!!!」



「ちがーう!!!」

「ふはははははははははは」

笑い方が大魔王みたいな感じ

尽かさず ヒメコが

「アカンアカンアカンアカン」

と止める

「結婚できるかぁーーーー!!!」

「す…すんまソン」

「これはもう ホラーマニアのオフ会にでも行った方が早いんちゃうん…」


楽な提案を出したヒメコ もう面倒さくなったきたのかなと思った自分


『ここはいっそギャップを活かしてみてはどうだ?』

ずっと黙っていたスイッチが発した

〈ギャップ?〉

『外見と性格にギャップがあるのは むしろ萌えポイントだと言える

男らしさをアピールするより 他の角度から攻めた方が

有効なのではないか?』


「それや!!」

「Jソン先生 特技とかはないの?」

〈そうだね〜何か意外なの〉

「特技でソか

そ…そうでソね…………」

考え込むJソン先生

考えた末…


「声帯模写が得意でソ」


何とも言えない特技だった

「声帯模写?」

「意外なん来た

ええでええで地味でええわー!

ギャップありまくりやで」


地味でも何でもよくってきてるような気がするのは私だけ?


「電車の音とか虫の鳴き声とかでしょ?」

〈何か…例に出す音の例が地味な気がするんだけど…

まぁ ちょっとやってみて〉


「はい… えー それでは………」


嫌な予感がする…

「日本のホラー映画の不快な効果音やります」


「「〈(((ええぇ〜〜〜〜〜)))〉」」


Jソン先生から発した声はまるで…

不快過ぎる音で…その音が段々と大きくなり…


「結婚できるかあぁ!!!」


こんなんでお見合い成功する…?と思った自分


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