台詞で50のお題
□「無理に笑おうとすんな」
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お「十四松」
十「何、おそ松兄さん!」
お「無理に笑おうとするな」
無理に笑おうとするな
十四松は何時からか、笑うことしかしなかった。どんなに悲しいことがあってもみんなを元気付けようと無理に笑う。
みんなは気付いてないみたいだけど俺はわかってしまう。まあ長男だし?兄弟のことを一番よく知ってるのは俺っしょ。
まあ兎に角、十四松は笑うことしかしなかった。いや、現在進行形かな。成人した今でも十四松はずっと笑っている。楽しくもないのにずっと。
俺はそれが辛い。心臓が痛む。でも十四松が一番辛い。なら、もう笑わなくていいように……泣きたいときは思いっきり泣けるように……俺が支えてあげよう。
お「ああ〜!パチンコ負けたー!全然出なかったよ!」
十「大丈夫だよ、おそ松兄さん!次があるよ!!」
お「十四松……」
今、家には俺と十四松だけ。他の兄弟は外へ出ている。
そして冒頭に戻る。
十「………何のこと?」
お「惚けんな。お前よく無理に笑おうとしてたんだろ。対して楽しくもないのに」
十「そんなこと無いよ!凄く楽しいよ!」
お「俺がパチンコに負けた話聞いて楽しかったか?」
十「うん!ざまあって思った!!」
お「それはそれで酷いし、お前そんなキャラだっけ!?」
こいつ動揺隠せねえタイプだ……!
お「十四松はずっと笑わなくていいんだよ。泣きたいときには泣いて、怒りたいときには思いっきり殴る勢いで怒れ。ずっと笑ってたら逆に不気味だぞ?」
十「兄さん……」
十四松はポスン、と俺に抱きついて来た。
十「僕……泣いていいの?」
お「うん」
十「怒っていいの?」
お「うん」
十「悲しんでいいの?」
お「うん」
十「うっ……にい、さ……うわあああ!!」
そう、泣いていいんだ。十四松。思いっきり泣いて、思いっきり怒って、そんで思いっきり笑え。
お「大好きだよ、十四松」
そんな俺の声、十四松には聞こえただろうか。