Rose ...

□pocky .
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「二階堂、一本ちょうだい。」

「ん?」

「ポッキー。」

「ああ、これ?」

さっきコンビニで買って来たのだ。

無性に、食べたくなった。

「ね、一本くらいいいだろ?」

...いいこと考えた。

「いいよ。」

俺は、咥えていたポッキーをすべて食し
新しいものをもう一つ咥える。

「ん。」

「へ?」

俺は、黙って唇を突き出す。

宮田は少し考えれば俺のしたいことが理解できたのか、
顔を真っ赤に染める。

きょろきょろ戸惑って、可愛い。

宮田の腕を強く引っ張り、引き寄せる。

目をぎゅっと閉じ、もう片方を恐る恐る咥える。

少しずつ、齧っていく。

宮田も、もう片方から同じようにする。

残りわずか数センチになった時、その場にそのまま押し倒し馬乗りになる。

「っ...!?」

宮田が慌てて目を開く。

対照的に俺は黙って目を閉じ、そのまま唇を重ねる。

何度か角度を変えながら口づければ、
Tシャツの背の部分をぎゅっと握られる。

舌を割り込ませ、激しく絡める。

チョコの、味。

甘い甘いチョコ味の、キス。

息を吸えないのか、苦し気に喘いでいる。

そっと解放してやる。

「っ、はぁ...二階堂!」

上半身を起こしながら、宮田が声を上げる。

「ん?何。」

「そんな、急に...」

「嫌だった?」

上目がちに見詰めてみれば、宮田は顔をふっと背ける。

「横尾さんも、キタミツも助けてよ!」

きゃんきゃん吠える相手が、見知らぬふりをしていた二人に向く。



「んあー?やだ。」

ミツは小さくにっこりと微笑む。

「右に同じく。」

表情を変えぬまま、携帯から目を離さずに横尾さんも続く。

この二人が、こんな楽しい現場を壊すわけないのに。

「ってことだから。」

俺は宮田の起こしたばかりの半身を再び押し倒す。

「ちょ、っ...!」

首筋に舌を這わすと、宮田の身体が震える。

服の中に乱雑に手を突っ込む。

突起を強く摘み、引っ張る。

「ぁ、っん...」

必死に声を抑えようと、口を手でふさいでいる。

「ダメじゃん宮田。横尾さん、ロープかなんか持ってない?」

視線を送ると、黙ったまま鞄の中を漁り紐が投げられる。

「んは、ナイス。さすがだね。」

「横尾さん、何でそんなもの...っ」

「俺のカバンは何でも入ってるんだよ。」
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