Rose ...

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「なあ、何でお前俺の言うこと聞けねえの?」

他のメンバーが撮影だ煙草だなんだって理由をつけて居なくなり
二人きりになっただだっ広い楽屋で、
おもむろに口を開くのは俺と双子だなんて言われているやんちゃな奴で。

ゆっくりとした落ち着いた雰囲気の声だけれど、
その声には何処か怒りを含んでいるような気もする。

「何のこと?」

触っていた携帯を机に置き、ソファから体を起こしては相手の方へ顔を向ける。

意外と細かい二階堂はそういうことを凄く気にするのだ。

笑顔なんてどこにもない、此方を見つめるその瞳は
世間によく見知られている「ニカちゃん」の顔とは程遠い。

おまけに其方から話しかけて来たくせに、
此方の問いに対する返答がない。

わざと、笑顔を作る。

「顔怖いよ?」

軽く首を傾げてみれば二階堂はすっと立ち上がり此方へと向かってくる。

やっぱり何か怒っているのかな。

そう思った刹那、俺の身体は先ほどまで寝転がっていたソファに沈んでいた。

「ちょっと...なんなの?てか、肩痛いから...。」

肩を掴まれ、そのままダイレクトに二階堂の体重がかかっているから
痛いし、何より重い。

けれど「離せよ」なんて言える雰囲気でもなく、
俺の言葉は胸の奥底に消えていく。

二階堂の目には黒い前髪が被さっているため気持ちが全く読み取れない。

何を考えているのか。

一体なんだというのだ。
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