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□突然現れる彼(銀高)
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「神楽ァ,新八ィ,帰ったぞ-?」

万事屋の戸を開けて中に入り声を掛けるも返事は無い。俺は不思議び思いつつ中に歩を進めれば居間のソファーに座る男。紫掛ッたサラサラと風に揺れる滑かな黒髪。赤紫色の女物にも見える派手な着流し。吉原の者が持つ様な煙管。左目を覆う眼帯。

「高杉...何で手前ェが此処に居やがる...」
「遅かったじゃねェか...銀時ィ?」

煙管から口を離して一つ息を吐けば口を開きそう告げる。
何で万事屋に居る?神楽と新八は?俺ァ云った筈だ。
“次会った時は敵も味方も関係無ェ!!全力で手前ェをぶッた斬る!!”そう紅桜の件の時にそう云った筈。なのに,何で高杉は此処に居る?何で万事屋に?

「高杉,何で此処に居やがるンだ?」

目を細めて相手の様子を伺う様に相手をじ,と見遣れば高杉は其処に煙管を置く。そして立ち上り,此方に爪先を向けて歩を進め,近づいて来る。

「そんな事ァ如何でも良いだろう?」

口角を上げ,歩を止めずに近付いて来る高杉。俺は無意識警戒し,に木刀に手を掛ける。すると高杉は歩を止め,俺の様子を伺ってか俺を爪先から頭まで見渡す。すると高杉は又口を開く。

「なァ,銀時。御前ァ俺を斬るッて云ったなァ?」
「嗚呼...云ったな」
「斬れよ。其の木刀じゃあ斬れや仕無ェか。」

高杉は嘲笑う様に問えば無性に其れに腹が立った。腰紐から木刀を抜き,構えれば高杉も鞘から刀を抜く。そして刀の質を見る様に己の刀を嘗める様に獣の様な目で見れば口角を上げ,怪しく笑えば舌摺りし,又其の目は俺を捕える。

「さァ,一勝負と行こうじゃ無ェの。」

此処が万事屋と云う事を忘れ俺は斬り掛る。高杉は軽々と俺の木刀を峯で止め,俺の腹目掛けて剣が降って来る。其れを避けて此方も相手の腹目掛けて突き刺せば高杉は避け,木刀が着流しが引っ掛り,肩から着物が落ちる。すると真面に食って無ェンじゃ無ェかと思わせる細い骨が角ばった身体が露わに成る。其れに目も向けずに刀を振る高杉。俺が避けきれず,頬に紅い線が入る。線が入ったのを見れば妖しく艶かしい笑みを浮べてから高杉は口を開いた。

「銀時,手前ェ...又,弱く成ったか?それとも...」

___ズシャ
刀が何かに刺さる音。俺の肩から紅い液体が飛散るも腕は繋がって居る。どうやら俺の肩を掠り,壁に刺さった見たいだ。其れを抜こうと高杉が刀を引っ張る瞬間,高杉の胸ぐらを掴み,引き寄せる。そして俺の木刀を高杉の腹に押し込む。痛いだろう。でも高杉は顔を歪めない。苦痛に溺れた顔を見せない。高杉の胸ぐらを掴んだまま壁に押し付ける。

「誰が弱く成ったって?高杉クン...?」

目の前の奴は肩が肌蹴けて壁に押し付けられた状況で息を飲む。今更だがエロい。サラサラと風に揺れる髪,男にしては白過ぎる肌。細過ぎる身体。俺より小さな身長。俺は気づけば相手の脚の間に自分の脚を挟ませ逃げ場を無くして遣り,相手をじ,と見詰めて遣れば凄い剣幕で睨んでくる。

「何してやがる,銀時。」
「俺別に何もしてないよ?只,高杉に聞きたい事が有るだけ。」

そう云えば高杉は双眼細め,此方の様子を伺う様に見つめ,不機嫌そうに話を聞こうと目をじ,と見詰め返される。

「何で御前ァ此処に居る?」
「何でだろうなァ?」

誤魔化す相手を他所に俺は相手の股の間,自身目掛けて膝を押し付ければ高杉は目を見開き俺の肩を押すも,其れと同時にグリグリと膝で押し付ける。すると相手から苦しそうに声が漏れる。そう,其の声。俺が聞きたかったのは其の声だよ,高杉...

「銀,時...辞めろ...」
「何で此処に居るンだ?高杉ィ...」
「手前ェ...に,」
「俺に,何だよ?」

何か云い掛けた高杉に耳を傾ける為に脚の動き止め,相手の口元に自分の耳を近づける。すると高杉は顔を少し朱く染め,小さな声で呟いた。

「銀時に,会いたかったから...だ。」

然う小さな消えそうな声で呟いて俯く高杉を見て,可愛いと思った。此れは理性が飛んでも可笑しく無いだろう。普段表情を変えるも仕無ェ相手がデレて居るのだから。仕方無いと自分に言い聞かせ,高杉の口を己の口で塞いで遣り,驚く高杉を他所に舌を押し込み,急に絡ませては相手の呼吸を奪う様に激しく下を絡ませる。裏顎や歯の裏を舐めて遣れば大きく肩を揺らす高杉。

「ン,ふッ...」

時折漏れる熱い熱の籠った吐息にソソラレル。高杉は息苦しい,離せとでも訴える様に俺の背中を叩くモンだから口を離して遣る。すると高杉は肩で息をし乍ら酸欠か羞恥かで朱く成った顔を此方に向ける。

「手前...急に何しやがる!!」

そんな高杉の言葉は聞えない振り。さっき木刀が引っ掛って肌蹴て露わに成ってる胸に指先を走らせる。錺に触れた時,高杉の肩が小さく跳ねる。手を俺の肩に掛け突き飛ばそうと為る高杉の自身を膝で刺激すれば其れも虚しく終わる。顔を胸の近くに近づけて舌先で錺を舐めて遣れば其処は直ぐにでも起ち上る。抵抗為手ても感じてんじゃん。此奴。等と思えば突き飛ばそうと掛けた手に力を籠めて快感から逃げ様と為る。淫らな音を立てて胸の飾りに吸い付けば甘い吐息が漏れ,俺を煽る。脚を解放し,その代りに帯下の着物の隙間から手を入れて下着を降ろす。相手自身を掴んで上下に軽く摩る。すると脚に力が入らなく成ったのか段々と下に高杉が下がって逝く。

「何だ,高杉ィ...もう限界か?」
「ッるせ...」

高杉はもう限界らしいが俺は此処で達させて遣る程甘く無い。相手自身から手を離し,高杉をちゃんと床に座らせて遣り,脚を大きく開かせれば秘部へと手を滑らして濡れても無い指を埋め込み,高杉は又痛みに歪んだ顔を俺に向ける。そんな顔にも欲情しちまう俺もイカレちまってるかな。其の儘中で指を折り曲げたり,掻き回したりすればまた熱い吐息と喘息が漏れだす。

「ン,ぎんとき...ッ」

微かな声で俺を呼ぶ高杉が愛くるしい。俺に会いたいから万事屋迄足を運ぶなんて。御尋ね者が態々危険を冒して迄。凶悪犯の面倒臭がり屋の高杉が。俺の為に...。可愛過ぎるだろう。

「高杉,」

名前を呼び返せば指を2,3本と徐々に増やして逝き,高杉の前立腺を探して指を折り曲げたり伸ばしたり,掻き回したり引き抜いたりして高杉を追い詰めて行く。

「ぎん,とき...もう良いから...早くッ」

解かさなくて良いから早く俺のを呉れ。然う云う高杉にはっきり云えば我慢が出来無かった。無言で己のベルトを解いて下着も降ろし,立派に立ち上った其れを高杉の其処に焦らす様擦り付けると高杉の腰が揺れる。早くしろとでも云う様に。俺の其れを秘部に近付ければひくん,と秘部が動く。俺は口角を上げ,其処に己自身を押しつけ,中へと進める。

「高杉,解る?」
「何だッ...ふッ,あ...」

全て押し込めば高杉の口に己の口を再度近づけて相手の下唇を食む様に口付け,舌を押し込み口内を自由に荒らしてやる。暫く為手口を離してやればゆっくりと律動を始めるも,高杉は此処を使うのが初めてなのか可成りキツイ。紫掛った綺麗な黒髪。左目を覆う眼帯。白く,細い身体。熱く熱を持った柔らかい唇。其の唇から洩れる甲高い喘ぎ声。薄い朱色に染まる頬。何から何まで美しいと云っても過言じゃ無い。俺が高杉を限界に導いてる筈なのに俺が追い込まれて居る様に高杉の色っぽさと締め付けに達しそうに成る。

「あ,ぎ...ンときッ...いッ...イクッ!!」
「俺も,一緒にイこうか,晋助」

然う耳元で告げて遣れば高杉は白い喉を仰け反らせ,達した。其の達すると同時の締め付けに俺も釣られて達す。部屋に響くは俺と高杉の荒い呼吸。達した余韻に浸って居れば高杉が口を開く。

「後処理。遣って呉れるよなァ?」

威圧を掛けた様な云い方に俺は頷くしか無かった。其れから高杉は月に2度は万事屋に来ている。高杉と俺は恋人に成ったのだ。


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“次会った時は敵も味方も関係無ェ!!全力で手前ェをぶッた斬る!!”此の言葉は...忘れよう。
此の事が後日,桂にバレ,「御前は変わらぬと信じて居たと云うのに...銀時ィ!!待たんかァァァアアアア」と追い掛け回されたとか,回されて居無いとか。

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