二次創作小説

□伊作の不運
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 ▷不運の始まり


伊作は不運だと有名になっている。

だけど…伊作は…昔は不運なことなんて一切なかったんだ…



 ◇   ◇   ◇


 一年生の頃、ある忍務で森に入ったところ伊作が行方不明になった。
一日中探したが見つからなくて、それから……3日も経った。
私たちは諦めかけていていた頃、伊作が何事もなかったように擦り傷程度の傷で帰ってきた。森で足をひねり足を滑らせ転がっていき迷っていたそうだ。

そこへ、牡丹という人が助けてくれたらしい。

そこからだ。

帰って来たその日から伊作は不運に見舞われるようになったのだ。
伊作に何かあったのか?と聞いても「何もないよ?」と言うばかり。

そんなこんなで5年が経ってしまった…不運は変わりなく続いている。
ある時、伊作が大怪我をした。片目近くに苦無がかすったといってもかなり深くかすり、肩には矢が刺さり、足はくじいて骨折にまでなってしまった。
忍務で治療している隙を狙われ背後からやられたらしい。
だけど、あまりにも不自然とは思ったが前日から具合が悪かったらしい。

「そんなんだったら休め…アホ……」

俺は眠っている伊作の手を震えながら握りしめた。

「俺…お前が死にそうで怖いんだよ…心配なんだよ……」
と涙が溢れてきた。

ハッとすると伊作は起きていた。伊作は驚いた顔をしていた。するとフッと笑顔を見せて、

「…ありがとう留三郎…そんなに心配してくれてたんだ…」

留三郎の頬を撫でながらそういった。留三郎は頬を赤くしてうつむいた。
するとうつむいたまま
 
「お前に言いたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」

「なんだい?」

「…………すき…お前が好きなんだよ………」

「え……」
 
「はは、やっといえた」
と、留三郎ははにかんだ。

「僕も……僕も好きだよ。大好き………」

伊作は無理な体で俺を強く抱きしめてくれた。俺は夢でも見てるのではないかとふと思ったが、伊作が抱きしめてくれてる感触、体温が現実のものだと実感させてくれる。
すると、

「そうだね…留三郎が告白してくれた、僕も告白しなきゃだよね…五年前のこと………」


伊作は俺に話してくれた。五年前、足をくじき迷い、牡丹という人にあった後のことなど。

伊作はあの日、足をくじいて滑らせ、転がり落ち道に迷った。そこへ牡丹という美しい男の人が助けてくれた。手当てをしてくれて、食べ物などを分けてくれた。足の様子などを見て歩けるようなったらすぐ帰るようだったらしい。2日目の朝にその牡丹とかいうやつにこう言われたらしい

『君はとてつもない力を持っているね。周りを笑顔にし傷を癒やす。とてつもない力…だが…その結果、君の身近な人が大怪我をし、もしかしたら命を落としてしまうよ。』

「え……?」

『僕なら君を、身近な人を助けてあげれる』

「ほ、ほんと!!」
僕はまだ小さかったから意味はあまりわかってなかったんだ。するとその人は伊作の腕を引っ張りそのまま顔に近づき、口吸いをした。何かを吸われたような感じがしたあと伊作は意識を失った。
そのあと、意識が戻ったら忍術学園の近くの林で倒れてて、体に違和感があったけど、牡丹もいなくなっており、そのまま帰って来たという。

「てことは、なんだ?牡丹という奴に幸運を吸い取られたってことか!?」

「簡単に言うとそうなるのかな?あはは」

「まじかよ…そんなんで伊作が死んだりしたらどうしてくれる…」

「僕は死なないよ。というか死ねないな。だって留三郎と両思いだったんだもんね♪」

「うっ……////」
「ぼ、牡丹とかいうやつはすごい術を使うのだな…」

「そうだね。でもそのおかけで僕の身近で、大好きな人が怪我をしなくて僕は良かったと思うよ」

「み、身近って……お、俺か!?////」

「もちろん♪僕はあのとき留三郎が浮かんだんだ…そしたらもう無我夢中だったね」

「……それで伊作が怪我をしたら俺は悲しむぞ」

「そ、それは困るな……」

それでも俺は嬉しかった。でも伊作が怪我をするのは許せない…

「俺が不運から守ってやるよ」

「え……?」

「好きな奴を守りたいのは当然だ//」

「留三郎……!!ありがとう!!」

伊作は怪我をしているのを忘れているのか思いっきり抱きつき痛い目にあっていた。

  ◇   ◇   ◇

「ところで、伊作。」

「なんだい?留さん?」

「お前、口吸いされたとか言ってたな…?」

「え…!?いや…あれは…ね?しょうがないといいますか…」

「ほう」

「と、留さん…?」

「覚悟しとけよ」ニコッ

「留さん…お、落ち着いて…や、留さん!?やめ、留三郎!!////」


朝、仙蔵たちから夜は静かにやれとたくさんの苦情が届いた。

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