さえゆきの恋

□2.出会いy
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2.出会いy




由紀side


今日は、先輩の大島さんのアンダーを務めさせていただく、ライブの打ち合わせの日。
その後に練習もある。

先輩方と一緒に練習するのは、始まる前からでもとても緊張する。

私、足引っ張りないかな…下手すぎて目立たないかな…


不安ばかり抱え込んで、先輩方がいる楽屋のドアを開いた。



由紀「おはようございます。大島さんのアンダーを務めさせていただきます、3期生、チームB候補生の柏木由紀です。精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。」


あぶない…かみそうだった。
う…シーンとしてる…



スタッフ「じゃあ打ち合わせ始めます。」


アンダーは、責任が重い。
おまけにエースの方のアンダーとなると、重過ぎる。
それに曲数も多く、覚えられるか心配だ。




スタッフ「では、この後はレッスン頑張ってください。」


私は、チームKと一緒に活動することになった。
チームKは、体育会系ということもあり、とてもハードだ。



先生「では、チーム曲からいきましょうか。」








一旦練習が終わり、休憩時間になった。
レッスンは厳しく、休憩時間がないと、とてもじゃないけど続けられない。
それでも、休まずに練習しないと、先輩方についていけない。



一人で練習していたら、ある方が私に話しかけてきた。


佐江「こんにちは、休まないで大丈夫なの?」


宮澤さん。確か…チームKのツインタワーの内の一人じゃ…



由紀「いえ、わからないところがあるので、ついていけなくて…」

佐江「どこ?」

由紀「え?」

佐江「わからないところ、どこ?」

由紀「え!?あ、あ、大丈夫です。自分で頑張りますので。」

佐江「そんなこと言わないで。仲間なんだし、助け合わなきゃ。それにわからないままライブに出られれても、足引っ張られるだけだから。ね?」

由紀「あ…ありがとうございます」

佐江「大丈夫、大丈夫。教えてあげるよ?」

由紀「あ、えっと…ここです。」

佐江「あーそれ、最初佐江も分からなかったから、全然大丈夫だよ?」

由紀「そうなんですか?」

佐江「うん。最初はみんな同じだから心配しなくていいよ?柏木さん、頑張ってるから。」


宮澤さんは、とても分りやすく、そして優しく教えてくださった。



先生「じゃあ今日はここまでだから、練習頑張ってね」

全員「ありがとうございました!」





佐江「柏木さんお疲れ様!他にわからないところない?」

由紀「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」

佐江「そう?よかった!…ねぇねぇ、柏木さんって同期には何て呼ばれてるの?」

由紀「えーっと…ゆきりんって呼ばれてます」

佐江「じゃあ、佐江もゆきりんって呼んでいい?」

由紀「はい!」

佐江「じゃあ、柏木さんも佐江って呼んでよ?」

由紀「え…先輩ですし…」

佐江「先輩とか関係なくさーあっ!佐江、ゆきりんのこと特別な呼び方したい!だめ?」

由紀「どういうものですか?」

佐江「ゆきりんのりんを取って、りんちゃん!」

由紀「もう本名関係ないじゃないですか!?」

佐江「あははは!りんちゃんでいいじゃん!」

由紀「いや、いいですけど…」

佐江「ほら、りんちゃんも佐江って呼んでよ!」

由紀「え!?無理ですよ!」

佐江「なんでー?今日、ダンス教えたお礼として呼んでよ!」

由紀「さ…佐江………ちゃん」

佐江「ふふ、佐江ちゃんか…」

由紀「佐江ちゃんでお願いします!」

佐江「別にいいよ!あと、敬語もやめてね?壁作っちゃうから」

由紀「え、え、え、やっぱり先輩ですし…」

佐江「だから、先輩の壁を作りたくないの!」

由紀「……じゃあ、タメにするね」

佐江「よろしい!」

由紀「ふふふ、佐江ちゃんって面白い」

佐江「りんちゃんも面白いよ?」

由紀「えぇ!?私が?」

佐江「そう!」


佐江ちゃんは、とても面白くて、後輩思いの先輩だと思った。
壁を作りたくないって、とてもいい人だなって思った。

それに、カッコいい。女の子だけど、ボーイッシュでイケメンと言えると思う。



佐江「りんちゃんって……………」

由紀「え?なんか言った?」

佐江「ん?別に!」


佐江ちゃん、何て言ったのかな?
あまり深く考えないでいたほうがいいかな?


続く

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