小説

□勝手にお題。
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美味しいと塾の友人から教えてもらった、ヨーグルトアイス。
しかも、僕の好きな苺味だ。
プレーンとチョコもあったけど、これを選んだ。
苺といえば、女の子が食べるイメージだけど、つい選んでしまう。
彼と付き合い出してからだろうか。
それとも、彼と出会ってからなのかは分からない。
苺の甘さが恋の甘さと同じだ、なんてくさいことを考えてしまう。
カップの白が半分見えてきた頃、電話がかかってきた。
彼からだった。
『…別れよう』
口数の少ない彼からの、勢いを持った言葉。それに打ちのめされ、言葉が出なくなる。
絞り出すように、分かった、とだけ伝える。
ボタンを押した指をただ見て、涙を流す。
きっと受験だから、集中したいのかもしれない。
それでも、一緒にいたかった。

溶けだしたアイスを排水口へ流す。
淡いピンクが流れていく。
僕の気持ちもこんな風に流れていけばいいのに。

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