小説

□記念日
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ドアを開けて、冷たい空気に包まれる。
まだ冬であることに、気がつく。
冷蔵庫を開けて、ビールを引っ張り出す。
疲れた体にちょうどいい。
すると、騒がしくドアが開いた。
「セピアさん、おめでとー!」
「おめでとうございます。で、お酒飲みましょう。」
「セピアさんっ!おめでとうございますっ!」
いつも実況をとる3人がそれぞれ祝いの言葉を言ってくれる。
「…何かあったっけ?」
「セピアさん、6周年ですよ。」
あぁ、もうそんなに経ったのかと。 それから、まさかこんな風に祝ってくれるとは思ってなくて、涙腺が緩みそうになる。
おじさんになったなぁ、と思った。
だから、笑って言おう。
「いいちこ、持ってきてくれたんですよね?」

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