Red Cherry

□ミリオン・ダラー
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「じゃあ答える前に聞いてみるけど、みんな目の色は何色をしてる?」


「え、俺黒だけど…?」


「俺は茶色です。」


「俺のは水色ですね。」


「僕は渋谷と同じ黒。じゃあ他の人の瞳の色は何色がある?」


「えーっと、緑、紫、灰色、金色、銀色、青、橙色、桃色、白…、


眞魔国だとこれくらいか?こう考えると色とりどりだよな。」


「そうですね、俺たち三兄弟だけでも全員色が違いますし。」


「だよなー。」


「それで猊下、今挙げた色の中にその高貴な色があるんですか?」



そう尋ねられた村田は静かに首を横に振った。



「いいや、なかったよ。」


「これだけの色があるにも関わらずですか。」


「うん。」


「でもこれ以外の色の瞳の人なんていなくねーか?」


「普通はね。」


「なんだよ、またもったいつけて、気になるだろー?」


「言う言う、言うからそんなに焦らないでよ。」


「村田があんまりもったいつけるからだろ?」


「もったいつけたつもりはなかったんだけど、ついね。」



そう言うと、クスクスと小さな笑い声を立ててから話を再開した。



「さっきの色の中で挙がっていない色。それはね、"赤"だったんだよ。」


「「「赤?」」」


「そう。しかもルビー…、紅玉みたいに真っ赤な赤。緋色とでも言うべきかな。」


「え…、眞魔国に瞳が赤い人なんているのか?」


「な?普通はいないだろ?だからこそ眞王が執着したんだよ。」


「…それでだったんだ…。」


「それにしても赤ですか…。」


「こちらの世界ではいませんけど、陛下の口ぶりからするともしかして地球にも?」



そうヨザックに尋ねられた村田は首を縦に振った。



「お察しの通り、地球にも存在しないよ。」


「だよな。てか赤い瞳の人がいたらいじめられそうだけど…。」


「差別などされるんですか?そんな高貴な色を持つ者なのに?」


「たびたび言ってはいるけど、地球は色に身分が変わるほどの意味はないんだよ。白人黒人問題は別として。」


「他の人と違うと大抵いじめられるんだよな、こっちの世界で人間と魔族が争うのと同じでさ。」


「さっき渋谷が言った通り、大巫女も相当な差別問題を抱えていたようだしね。」


「そうだったんですか…。」



と、少し話が逸れしんみりしてしまってきているのに気付き村田が話を戻した。



「今は差別問題は置いといて。


とにかく、大巫女は世にも珍しい黒髪に赤瞳を持つ男だったってわけ。」


「そりゃ珍しいし眞王が側に置きたがるわけだよなー。」



色の話について落ち着いたところで、大巫女についての疑問が再度浮上してきた。





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