Black Cherry

□プロローグ
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小さい頃、一瞬見たこともない映像が頭の中を駆け抜けたのが始まりだった。



その頃からふとした瞬間に映像は頭を掠め、更には夢に見るようにまでなった。



時折幼い子供には衝撃的な内容で、気分を悪くしたり悩まされることがしばしばあった。





その映像の正体が何かわかったのはそれからすぐのこと。



俺の心を抉ったある忌まわしい事件がきっかけとなった。



俺は自分が何故存在しているのか、



そんな人生においての壮大なテーマが解決されてしまった瞬間だった。





それからは人に頼らないように、迷惑にならないようにと必死に努めた。



心の拠り所となる人達に出会ったものの、その信念が曲がることはなかった。



彼女に出会うまでは。





彼女は俺に生きる喜びを与えてくれた。



だがそれも束の間、最後には俺の存在価値を大きく揺るがせた。



自分が存在しなければこんなことには、そんなことすら考えるようになった。



それでも俺は、人生最難関の試練に打ち勝てるまで生き抜かないといけない。



そんな強迫観念まがいな思いが辛うじて俺を正常でいさせてくれた。





それから少しして、人生の転機が来た。



ついに俺の存在理由が証明される時が来たのだ。



幸い頼りになるものが幾つも用意されていたため、



来るべき時に備えての準備を出来る限りし尽くした。





そして。





この日、俺は命を懸けた勝負へと出陣する。



どんな終わりを迎えるかは最後まで誰にもわからない。



けれど、するしかないのだ。



俺に残された選択肢など他にはもう1つも残されていない。






そう、全ては




















「彼との約束のために…!」










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