小説

□キス祭り
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緑谷×相澤


緑谷は保健室に向かう廊下をヒタヒタと歩いていた



(今日までで何回怪我したんだろ…?)



ものすごく痛い右の中指を隠すように保健室に向かって歩を進める



すると前方から相澤が来ていた



相澤は緑谷の前まで来て



「怪我は大丈夫か?」



そう言った



「全然大丈夫です。」



下手な笑顔を顔に浮かべてから緑谷は右の中指を隠す


「………手…貸せ」




相澤は緑谷の右の手首をぐっと掴み傷をまじまじと見る



「あ、相澤先生…そんなに見られても……」



「緑谷、お前は個性を使う度にこうなるのか?」



「…………………はい………。」



「…自分の体は…大事にしろ…」




そういって右の手首を離して、相澤は緑谷が来た方向に歩いていく



「相澤先生!」



緑谷に呼ばれた相澤が振り返ると



緑谷がチュッという可愛らしいリップ音と共に相澤にキスをした



「……っ………!」


緑谷は自分でも驚いて直ぐに相澤の唇から離れた



「緑谷…どうした…」



相澤も同様に緑谷の突然の行為に驚いていた


「わかりません…。只…その…したくなってしまって…」



もじもじしながら緑谷は相澤の口元を寂しそうに見つめる



「…………仕方無いから…今回は許してやる。」



そういって相澤は緑谷の頭の上に手をのせて撫でた



「先生…今度は堂々としていいですか?」


「……堂々とはダメだろ…」


そういった相澤の顔は緑谷が見たことのない顔だった


「ほら、ばあさんのとこ行ってこい」



そう言い残し相澤はまた背を向けて歩いていってしまった




(あの顔は……ずるいな…)



さっきの相澤の顔を思い出し、キスの余韻に浸りながら



リカバリーガールのいる保健室に向かった

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