ヒーローと私の日常

□5:新しくヒーローが加わって始まる日常
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二、三分くらいサイタマと来客の間で会話が続いたかと思うと、サイタマが渋々中にその人物を招いた。
お客様なんて初めてだ。自然と浮き足立ってしまう。
ワクワクしながらお茶を用意していると、お待ちかねの人物が部屋に入ってきた。

金髪の青年だ。所謂イケメンの部類に入る。
サイタマがどうやってこんな美青年と知り合ったのかは知らないが、とても意外な組み合わせだ。

私が驚いていると、青年も私を見て目を見開いていた。
こ、これは・・・・!!もしや・・・・!?
エンd…

「せ、先生!!誰ですかコイツは!?」

私の感動を返せこの野郎。
傍から見れば元恋人の再会みたいなシーンだったのに!!
あの有名なシーンを再現してみたかったのに!!(本音)
ここ船上じゃないけど!!

ていうか、初対面の人に向かってコイツ呼ばわりって酷くない?
まあ!!お客様だから!!そこは!!我慢しますけど!?

「まさか、同棲してるんですか・・・!?」

「ああ、コイツは俺の彼女だ」

「え、ワタス基本ボケキャラなんだけどこれは突っ込まないといけない感じ?」

ボケにボケ返し更にボケを重ねると、とんでもない事になった。
ツッコミ不在は怖いな。方向性がブラジルに旅立ってしまったようだ。

「マジレスすると、そんな関係では全くありません。粗茶です、どうぞ」

「すまない」

礼儀は弁えているようだ。
これでイケメンじゃなかったら殴ってたのに・・・!!
サイタマの知り合いだから殴り返されるのは目に見えてるけど・・・!!

「恋人じゃないなら、どんな関係なんですか?」

「あー、どんな関係だ?拾った?」

「捨て猫的な扱い!?まあ、命の恩人ではあるけど・・・」

そういえば、サイタマとの関係なんて真剣に考えたことなかった。
考える機会がなかったからっていうのが要因の一つではあるけれど。

それにしても恋人はないだろう。
まず定義に当てはまらない。
そう考えると、家族っていうのも違ってくる。

「・・・・・・居候?」

「強ち間違ってはないけど、なんか聞こえが良くねえから却下」

否決された・・・!?
絶対一番近い関係だと思ったのに・・・!!
異議ありっ!!



サイタマと私の関係について真剣に悩んでいると、金髪の青年は軽蔑の眼差しでこちらも見てきた。
何だよ、さっきから失礼な人だな。

「先生、高校生はさすがに・・・」

「中学生だ!!」
「中学生だよ!!」

見事にサイタマと抗議の声が重なった。
サイタマもそうだったけど、何で間違われるかな。
毎回毎回訂正するのが面倒だ。
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