ヒーローと私の日常

□4:ある朝の日常
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こんな穏やかな日常生活を送ることが出来るのも、今、隣でグッスリ眠っているサイタマのお陰なのだろう。
やはり怪人出現率No.1というだけあって、うっかり外に出た時の怪人遭遇数は半端じゃない。
元の世界と特に違うのはこの点だけだろう。
あとは何ら変わりない。


そういえば、この世界に来てから自分の体に少し異変を感じ始めたというのも一つの違いか何かだろうか。
いや、断じて厨二病的なものではなく。

妙に怪人に出会う確立が高いのだ。
外に出ればほぼほぼ怪人に出くわす。

この世界は、私が知る中では幾つかの市から構成されている。(テレビを見る限り)
それなのに、いくら怪人出現率が高いZ市と言えど、これは会い過ぎではないか。

テレビを見ていても、怪人に関するニュースは多くて週ニ、三程度。
それに比べ、怪人とほぼ毎日顔を合わせるというのは如何なものだろうか。
単にZ市がおかしいだけなのだろうか。


それともう一つ。
怪人に会うと、高確率で連れ去られそうになる。
何故だかは疑問だが、二言目には「一緒に来い」がお決まりのパターンだ。

勿論サイタマには話した・・・が、まともに取り合ってもらえなかった。
「俺が守ってやる」とは言っていたが、如何せん怪人に良い思い出はない。
早々安心など出来ない。

それに、もしサイタマがすぐ駆けつけられない時はどうするのか、と一人で考え始めた今日この頃。
あ、そうか。一人で出掛けないようにすればいいのか。
・・・僅か十秒程で結論が出てしまった。

そうさ。触らぬ神に祟りなし、だ。
自分さえ何もしなければ、あちらから襲ってくることはないのだから。
何も恐れることはない!!アーッハッハッハ!!
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