ヒーローと私の日常
□3:新たに始まった日常
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「こちらは羽毛布団でございます。普通の布団とは違う、羽のような軽さになっておりまして、断熱性も高く…」
店員さんが他のお客さんに説明しているのを聞きながら、あまり高くない布団のエリアに行く。別に布団なんて高いの買っても安いの買っても大差ないでしょ。ていうか、羽のような軽さの布団じゃ寝た気しない。軽すぎて、逆に。
「羽毛布団じゃなくていいのか?」
「だって、あの布団一つで普通の布団二つ買えるじゃん。そんな高いのいらないよ」
「欲のないヤツ・・・」
「あ、でも冬用に分厚い毛布買っていい?」
「ああ。好きにしろ」
欲がないとかじゃなくて、本当にいらないだけだ。そもそも布団に機能性なんて求めていない。寝られればそれでいい。
・・・こういうのを田舎思考って言うのかな。どうしよう、特に貧乏だった訳じゃないのに!!お母さんごめんなさい!!
ニ○リで会計を済ませ、次なる店へ移動する。
本当にここのショッピングモールは色んな店がある。ここなら日常品は難無く揃いそうだ。
値段もお手ごろ価格で、お財布に優しい。
・・・ヤバい。思考が主婦と化している!!ちゃっかり特売のチラシまで貰っちゃったし!!完全におばちゃんじゃん、嫌だわ〜。
「次は洋服類だな」
「洋服は三着あれば足りるかな」
「服ぐらいいっぱい買えばいいじゃねえか。十着くらい」
「そんないる!?」
明らかに十着は多すぎると思う。大体着回しで使えばなんとかなるし。とても現役JCの発言ではないと思うが、何せオシャレというものに全く興味がない。そんな物に金使うくらいなら、牛丼食いにす○家通いつめるわ。何杯食べられるんだろう。
冗談はさて置き、本心はサイタマにそんなにお金を使って欲しくないからだ。なんて言ったら本人に絶対怒られるから七割くらいの思いで留めておこう。
「お、コレとかいいんじゃね?」
「・・・中々センスいいね」
「何で上から目線なんだよ」
とても自虐Tシャツを着ていた奴のセンスとは思えない。が、若しくは女性物にだけ精通してセンスがいいのか。・・・それなら引くわ。女性ホルモンの方が多いんじゃね?って言いたくなる勢いで引くわ。
頭が寂しい割りにセンス良いとか・・・現役JCの七海ちゃん傷つく。こんなのに女子力負けたとかもう立ち直れない。