ただの生徒会役員ですが、何か?

□4:サッカー部はあまり好きではありません。
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「練習を始める」

それだけ言って、神童達はミーティングルームを後にした。
部室に残ったのはマネージャーだけ。
何とも冷たい態度だ。
代わりにマネージャー業をやってあげると言うのに。

「勇気あるね、七海ちゃん」

「そう?ま、アイツらとは関係を良好に保っておく必要があるからね。業務だよ業務」

葵側の皆に伝えた通り、中立的な立場をアピールする事に成功した。
皆は私が言った事を忠実に守ってくれたようだ。
凪沙ちゃんに一番近い人物の警戒を解いておかないと、これから厄介な事になるのは目に見えている。

「でさー、私って基本的に何すればいいの?」

「記録係、ですかね。あとはデータまとめたりだとか」

「大変だな、マネージャーも」

水鳥曰く、「あたしは応援団だからな!!」らしい。
あの子、『団』の意味は分かっているのだろうか。

「それじゃあ、グラウンドに行きましょうか!」

心なしか少し元気になった葵に手を引かれながら、ミーティングルームを後にした。







「七海先輩・・・飲み込み早いですね」

「そう?ある程度知れば何でも出来るよ」

葵にデータの取り方を教わり、各選手の基本データと比較しながら作る。
凪沙ちゃんからも色々と教え込まれた事もあってか、何の滞りもなく作業は進んだ。

「サッカー、分かるの?」

「大体のルールは分かるよ」

これでもワールドカップは見ている方だ。
サッカーに興味がない訳ではない。
ちなみにお気に入りは内田選手。
だってカッコいいし、サッカー上手いし。

「でもさー・・・このサッカーはないよ、うん」

「何でだよ?」

「いや、もう人間じゃなくね?何でボールが覇気を纏ったりすんの!?」

三人に詰め寄ると、苦笑いで返された。
何故この状況に苦笑いで返す事が出来るのか。
どんだけ高い跳躍だよ!!空中で何回転するんだよ!?

「一旦休憩だ!!」

心の中でパニックになっていた私を察するかのように、神童が休憩を告げる。
しかしながら、私の反応が常人の反応であると信じたい。
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