ただの生徒会役員ですが、何か?
□2:サッカー部にやって来ました。
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「ここがミーティングルームだよ」
「あー、じゃあ業者さんが持って来たデジタルモニターってここの・・・」
「そうそう!」
クッソ・・・!!聞けば聞くほど腹が立つ!!羨ましい!!
何故だ!!何故、日頃から生徒の為にと頑張っている私達よりも、サッカー部というタラシ軍団(一部)が優遇されるんだ!?
「七海ちゃーん・・・?」
「あ、ゴメンゴメン。入ろうか」
心の中で葛藤していて、凪沙ちゃんの困ったような眼差しに気付かなかった。失態、失態。
心の準備を軽くして、いざ、ミーティングルームへ・・・!!
ウィーン
「みんなー、ちょっと聞いて欲しいんだけど・・・」
「凪沙せんぱーい!!」
「きゃあ!?」
私の緊張とは裏腹に、入った瞬間ほのぼのとした雰囲気に包まれた。
と言うより、凪沙ちゃんが部屋に入った瞬間空気が緩んだ。
それよりも、凪沙ちゃんに引っ付いている茶色の物質・・・・・あ、人か。
「天馬ー!!いつも言ってるでしょ?いきなり抱きつかないの!!」
「えへへ、すみません」
天馬と呼ばれた人物は、凪沙ちゃんに怒られてはにかみながら謝った。反省する気ゼロだな。
天馬・・・天馬・・・あぁ、松風天馬か。
可愛いと上のお姉様方に人気だ、って綾美が言っていた。
何だかんだ言って、綾美ともっちーもサッカー部が大好きなのだ。
「せんぱーい」
「ん?なぁに?マサちゃん」
「俺、その呼び方やめて下さいって言いませんでしたっけ?」
「アレ、そうだっけ?って、どさくさに紛れて抱きつかないの!!」
マサちゃんって、狩屋マサキのことか。
礼儀正しくてこちらもお姉様方に人気だともっちーが言っていた。
が、私は猫を被っているようにしか見えない。
「もぅ、みんな勝手なんだから!!」
何なんだ。この和気藹々とした雰囲気は。
一人の女の子を囲んでハハハなんて笑いあっている現状。所謂『愛され主人公』ってヤツか。
これがサッカーに情熱を注ぐ奴らの顔か?鼻の下伸びてるぞ。
そんな中、他のマネージャーの子達だけは、練習の準備やドリンクの準備をしている。
あとは、輪の中に入っていかない人物が二名。
凪沙ちゃんは仕事しなくていいのかな?
ていうか、誰も私には気付いてくれないんだね。某人気バスケット漫画の主人公になった気分だよ。