キッキング☆ガール

□4:各学校へ行こう!!
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「立海大附属中学校・・・」

涼さんに言われた通り立海へやってきた。
校門の前に立ち、その全貌を仰ぎ見る。
何とも言えぬ圧迫感が私を襲った。
もしや、さっき食べた肉まんのせいだろうか。

そんな事をボケっと考えていると、周りからの視線がえらく私に向いていると気付く。
相当目立っていたのだろう。そりゃ当然と言えばそれまでだが。

そんな視線はお構いなしに(実際はとても恥ずかしいが)、生徒会室を目指す。
安心して下さい、入校許可は取得済みですよ。
(決して流行に乗った訳ではない、決して)



校内はとても清潔で、風紀の乱れも落書き等も一切見当たらなかった。
きちんと統率のとれている学校である事の証だ。

もしかすると、『ガラの悪いヤツが集まる学校=荒んでいて風紀もクソもない落書きだらけな校舎』という見解が間違いなのか。
そんな世論は昭和時代に捨て去るべきなのか。

と、くだらない思案をしている内に目的地へ着いた。
案内板では此処で間違いない筈だ。
中にはどんな化け物達がいるのだろうか。
緊張しながらドアをノックすると、意外や意外。
中から返ってきた返事は、少し声音の高い男性の声だった。

ガチャ

ドアが開けられ、視界に深い海のような色が広がる。
そこに立っていたのは、柔和な笑みを浮かべた穏やかそうな人だった。
私は一瞬にして恋に_______落ちる筈もなく、唯々背景に広がる異空間に驚いていた。

今時の生徒会はこんなにも設備が整っているのか。
ウチの学校に引けを取らない豪華さだぞ。
あ、人間をダメにするソファまである・・・。
(羨ましいとは思わないが、後で瞬さんに強請ってみよう)

「何か用かい?誰かの妹さんかな?」

「あ、いえ。生徒会の皆さんに用がありまして・・・」

「幸村生徒会長、客人っスか?」

「ああ。ジャッカル、すまないがお茶を用意してくれないか」

「おう」

「どうぞ、中へ」

失礼します、と言い促されるまま中へ入る。
初めて見る立海の生徒会の方々は、とてもカラフルな髪の毛の集団だった。
赤、紫、銀、深緑・・・等々。

「何だよぃ、コイツ」

「コラ、丸井君。初対面の女性に『コイツ』呼ばわりは失礼ですよ!」

「まあまあ、柳生。そうカッカしなさんな」

「ふむ、見た事ない制服だな」

「柳でも知らない学校があるのだな」

各々が各々で話し出すから訳が分からない。
私が対応に困ってアワアワしていると、幸村生徒会長と呼ばれた人がその場を制してくれた。

「皆、この子が困っているじゃないか。少し静かにしてもらえるかな?」

真っ黒い笑みで言い放つ辺り、幸村さんはこの学校の頭なんですね、分かります。
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