キッキング☆ガール

□3:意外な展開
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「ハッ、しらばっくれる気かよ。じゃあ、コイツらどーなってもいいんだな」

そう言って連中が突き飛ばしたのは、見知った顔三人。龍平達だ。
その顔が認識出来ない程、ボコボコにされている。
血反吐を吐きながら苦しがっている三人を見て、沸々と怒りがこみ上げてきた。
気づいた時には体が勝手に動いて、連中の方へ向かっていた。

「おいおいおいおい、仲間を見捨てんのかァ?」

「藤堂組の御令嬢様なら、ここにいる」

「御令嬢だァ?」

歩きながら声を上げると、如何にも頭の悪そうな返事が返ってきた。
恐らく、今私は凄い形相をしているだろう。
眼鏡のせいで隠れてはいるが、道を開けてくれる奴らは、それを感じ取っているらしい。

「アンタらが探してるのって、私のことでしょ?何処から情報が漏れたのか知らないけど、超迷惑」

鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていた連中も、数秒程で吹き出した。
貧相で下品な笑い方だ。虫唾が走る。

「冗談はよしとけよ、お嬢ちゃん」

「俺達手荒な真似はしたくねぇからよぉ、女の子は下がってな?」

「それとも何、お嬢ちゃんが体で相手してくれんのぉ〜?」

汚い笑い方が頭に響く。
こんな大人が世の中にいるのか。世も末だな。

私を見た瞬間、龍平達の口が動いた。
が、喉を潰されているのか、ひゅーひゅーと息が出るばかり。
そんな彼らに「大丈夫」と目で伝えて、再び連中へ向き直る。

「返してよ、私の大事な仲間なんだけど」

「あ?このゴミのことか?」

その言葉と同時に、五郎の腹に蹴りを入れる外道。
もう、形振り構ってはいられない。
そう思った私は、眼鏡を取り、結んであったゴムを解いた。

「お前ら、タダで帰れると思うなよ」

「あぁ?調子乗ってんじゃねーよ、クソガキがっ!!」

殴りかかってきた男の肋骨目掛けて蹴り上げる。
男は吐血しながら吹き飛んだ。
推測するに、二、三本は折れただろう。

「て、テメェ何者だ!?」

「は?何度も言わせないでよ。藤堂組の御令嬢ですけど?」

挑発すると、安っぽい連中はすぐに飛びついてきた。
あの頭には前頭葉の機能がついているのか。
もっと言えば、脳みそ自体入ってないんじゃないだろうか。




「・・・弱い」

全ての攻撃を一蹴し、倒れている奴らに向けて吐き捨てる。
そこで、一つ重大なことに気付いてしまった。
生徒と教師の目の前で、やってしまった・・・。
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