キッキング☆ガール

□2:私立明桜学院中学校
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・・・いや、ここまで自分を追い込むのではなく、逆にポジティブにいこうではないか。
男子ばかりということは、私は云わば逆ハーレム状態にあるのだ!!・・・何故だろう。心が虚しい。

ポジティブに考えることをやめ、再び言い聞かせながら明桜へ向かう。
ものの数分でその門は見えてきた。
ああ、何故あの時お嬢様学校だったら、なんて莫迦なことを考えたのだろう。
戻れることなら、あの日の自分を戒めてやりたい。

「おい、アレってウチの制服だよな?」

門前にいた男子生徒二人の会話に耳をそばたてる。
さあ、第一印象はバッチリだろうか?

「あー、確か女が一人入学するって言ってたな」

「でもよ、あんな地味でブサイクなヤツだとは思わなかったよな」

「期待して損したー」

これは予想通りの反応だ。
結果オーライということだが、何故だろう。胸に刺さるモノがある。

その後も順調にマイナスイメージを与えつつ、クラスが張り出されている掲示板に辿り着いた。
全八組。その中で一年五組の欄に私の名前があった。

案内に従い廊下を進む。
荒れているとは言っていたが、校内はとても綺麗だった。
てっきり、落書きの一つや二つ存在するものと思っていたが、塵すら落ちていない。
少し拍子抜けした。

しかし、油断は禁物だ。
何処からともなく襲われるとも限らない。
・・・・と、言っても私は今普通の女の子を演じている訳だが。
兎に角自分の教室へ向かおう。
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