三種族の血を受け継ぐ者

□3:キボウ×ト×ヤボウ
1ページ/1ページ

試験開始から二時間。受験者達が走った距離は、スタートから30kmを優に越えていた。

トータルで何km走るのか分からない。
ゴールを知らされていない上で走る、ペース配分。
先の見えない単調なコースが、数名の脱落者を出し始めていた。

そんな中、レオリオも既に限界が近づいてきていた。
レオリオは思った。「コイツら皆、化け物の集まりだ」と。

「コラ待てガキ!!」

「ん?」

「テメェ、ハンター試験ナメんじゃねえぞ!!」

レオリオが怒鳴ったのは、ゴンやナツミと歳が近そうな銀髪の少年。
少年はスケートボードに乗ってら颯爽と走っていた。

「何の事?」

「何のってそのスケボー!!反則だろぉ!!」

スケートボードを指差し、声を荒げながら少年に抗議するレオリオ。
少年は何故指摘されているのか分からない様で、純粋に「何で?」とレオリオに聞き返した。
それにカチンときたのか、レオリオの声が一層大きくなる。

「これは持久力のテストなんだぞ?!」

「違うよ」

レオリオの怒号の勢いを制したのはゴンだった。
隣ではルカも頷いている。

「ゴン!!テメェ、何言ってんだ?!」

「試験官は着いて来いって言っただけだからね。走ろうがスケボーだろうが、反則も何もないよ」

ゴンに便乗してか、ルカもレオリオを宥める。
しかし、レオリオは「どっちの味方なんだ」と幼稚なことを言い出した。

そんなレオリオを素通りして、銀髪の少年はゴンとルカに近づく。

「ねぇ、君達いくつ?」

「12歳」

「13歳」

「えぇ⁈ルカって俺より歳上なの⁈」

「失敬な‼そこまで驚くか⁈」

ルカはゴンより少し身長は低めだ。とは言っても、どんぐりの背比べのようなものだが。
故に、ゴンにとっては同い歳ぐらいに思っていたのだろう。
少し傷ついたルカだった。

「ふーん」

少年は、然程興味がないような返事をし、乗っていたスケートボードを軽く蹴り上げ手に持ち替えた。
その鮮やかさに目をキラキラさせる二人。

「やっぱ俺も走ろうっと」

「「おー!!カッコイイー!!」」

ゴンと一緒になってはしゃぐルカの姿は、同い歳に間違われても仕方が無い。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ