三種族の血を受け継ぐ者

□1:ハジマリ×ト×タビダチ
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太古の昔から、この世は天界と魔界の王によって作られたものと考えられてきた。

天界、魔界、人間界。
この三つが調和し合い、世界が成り立っている。

しかし、その信憑性は時代が移り変わるにつれ薄れていき、今では誰もその話を覚えていない。

人間界では、ビックバンという大爆発が起こり宇宙が誕生しただとか、生命の起源だの何だの騒がれている。

知能が発達し、科学の力で何でも解明出来ると考えた人間は、御伽話のようなことなど一切信じなくなった。

挙句の果てに、人間は自らが崇める神を作り出し、同じ意思を持つもの同士で宗教と呼ばれる社会集団を生み出した。

宗教はいくつもあり、崇拝の仕方や信仰する神もそれぞれ違う。
それによる意見の対立から、宗教戦争という大規模な紛争が起こる事もしばしばだ。



人間は好奇心の塊だ。それ故に、怪奇現象は全て化学の力であると主張し、自然の力や精霊が宿っているということまでも否定する。

私達神族や魔族も、人間に存在を否定される日はそう遠くないだろう。
人間は自分達に悪影響を及ぼすと判断したものは、全て排除しようとする生き物だと考える。

私達より知能も身体能力も遥かに劣る人間だが、いざ牙を向いてきた時はどうなるか分からない。
用心しておくに越したことはないだろう。
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