ただの生徒会役員ですが、何か?
□3:『九条 凪沙』は調べる必要がありますね。
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「にしても、凪沙ちゃんへの愛が尋常じゃないね、この部は」
そう言うと、三人の顔が一気に強張った。
少し遠くにいた倉間と剣城君も、こちらを向いている。
「まさか、知らないのか?」
「何が?」
「凪沙ちゃんの本性・・・って言えばいいのかな」
凪沙ちゃんの本性・・・どういうことだろうか。
良い子だとは思っていたが、如何せん関わりが少ない。
あの子自身に対しては、然して興味などなかったからか、凪沙ちゃんに関する情報が一切ない。
ただ、学校のマドンナだとか、男子生徒から人気だとか、女子の友達が少ないとか、噂や友達から聞いたことしか脳にインプットされていない。
思えば、あの子の口から自身のことを聞いたこともないし、私も知ろうとはしなかった。
『九条 凪沙』という情報が、私の中には極僅かしか存在しない。
「この学校の女子なら誰もが知っていることだぞ?」
全校の女子が知ってることを何で私は知らないんだ!?
情報網なさすぎだろ!!
「ふーん。で、そこのお二人さんは例外である、と」
倉間と剣城君に視線を送ると、二人共ばつが悪そうな顔をして俯いた。
そして、倉間が徐に口を開いた。
「俺と剣城はアイツを信用していない」
倉間の言葉に、剣城君も黙って頷いた。