キッキング☆ガール

□1:極道の娘って大変だ・・・。
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「おはようございます、お嬢!!」

「あー、うん。おはよう」

現在午前七時半。真新しいピカピカの長い廊下を歩き、居間に向かっている。
日曜日の朝ということもあってか、屋敷内はいつもより穏やかだ。
すれ違うお父さんの部下達に挨拶を交わしていると、目的地に辿り着いた。

「おはよー」

「あら、おはよう。早いのね」

「まあね」

慣れた手つきで朝食の支度をしているのが私の母。
優しそうな外見からは想像も出来ないかもしれないが、この人、極道である。

「何かあるのか」

「ううん。ちょっと早めに目が覚めただけ」

「そうか」

新聞を広げながらコーヒーを飲んでいるのが私の父。
この人も極道である。外見は厳ついカミナリ親父のイメージだが、家族には甘々な裏の顔を持つ。


お母さんの作った味噌汁を啜りながら、明日から始まる新しい学校生活を夢に見る。
私立明桜学院中学校。明日から私が通うことになる学校だ。

名前からすれば、何処かお嬢様校の雰囲気を感じる。
私には場違いな学校かもしれないし、案外居心地の良い場所かもしれない。
地方から移住してきた私にとって、明日からの出来事はここでの日々を構築していく第一歩なのだ。


ここまで断片的に語ってきたが、分かりづらいことと思う。
今日になるまでの経緯をザッと説明しよう。
(誰に語っているのだというツッコミは抜きにして)
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