白昼夢2

□水晶
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「おお、これは…」
キンブリーはアンジェリンが大切にしているガラスのケースに保管してある水晶の塊をみてみる。

岩の土台に六角形の水晶が絡み合っていてとても美しい、多少の傷は見受けられるがそのひとつひとつ全てが輝きを放っている。

「よく見ると傷だらけですね。」
「それが味になっているんですよ。」

水晶、それは鉱石で透明度の高いものを指す。
地下深くの岩の狭間、熱水で満たされた場所で育つ。
その熱水の温度や圧力が下がると溶け込んでいた成分が周りの岩に付着し小さな結晶となる。
そこでさらに温度が下がるとすでに付着していた結晶にくっつき大きくなっていく。

それらは自然の育むものなので環境次第での成長過程は千差万別。

途方もない時間を生きてきたこの水晶の傷は生きていることを刻みつけているのだろうとアンジェリンは考えている。

生など虚しいだけだと思っていたキンブリーだが何故か気になった。

彼はアンジェリンと触れ合うことで何かが変わりつつあるのかもしれない。
 

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