ボーボボ




過去拍手御礼分倉庫。
◆十→まも 



「あのなぁ……」

「ん?」

「アンタ女だろ。女が夜中に一人で歩くか、フツー」

「友達は送ってくれるって言ったけど、私を送ったら帰り一人でしょ?親はもう寝てるし、だから。」


だから。


だから何だって言うんだ。



「………アンタ、今帰んのか?」

「うん」

「……送る、乗れ」



止めたバイクに再び跨って。後ろを顎で指す。

すると彼女は遠慮がちに断ってきた。



「大丈夫よ。十文字君の家と逆方向でしょ?早く家に帰って休まないと明日キツいわよ?」

「………」




あぁ。この女は本当にしっかりしてるんだか天然なんだか。
擦れ違う男の視線に気付けってんだ。



「良いから。…このまま、ハイじゃあ気を付けて、なんて言っても気になって眠れねぇ」



俺の安眠を保証してくれ。



そう言えば、目を丸くした後。




「じゃあ、お願いします」



なんて笑うから。何だか恥ずかしくなって黙ったままエンジンを入れる。



「………」

「……?早く乗れよ」

「…ヘルメットは?」

「はぁ?…っと、コレ使えよ」

「十文字君はどうするの?」

「………」

「ノーヘルはダメよ」

「あー大丈夫だよ。捕まんねぇようにすっから」

「そうじゃなくて!いや、それもあるけど…もし転んだりしたら大変じゃない!頭打ったりしたら死んじゃうわよ」

「………」





そういやぁ、ノーヘルでケーサツに「規則は守りなさい」とか言われたコトはあったけど。「危ないから」なんて言われたコトなかったっけなぁ。



無言でバイクから降りて、少し距離を空けて隣に並ぶと。満足そうに彼女は微笑んだ。



「じゃあ、よろしくお願いします」

「………おぅ」

「あ、そうだ。コレお礼」

「あん?」



そう言ってガサガサと袋の中からチョコを1つ取り出して、俺の口に詰め込む。



「本当はね、ここから家まで暗いから、ちょっと怖かったんだ」







十文字君にここで会えて良かった。







そう言って、珍しくはにかんだような笑顔。



あ、青だ。早く行こう!




と駆け出す彼女。
不意打ちの笑顔と、彼女にとっては何でもない言葉に、心臓が煩く鳴って。




俺はそこからしばらく動けなかった。









おわり。



相変わらずお目汚しですんません……。

2009/10/31(Sat) 18:21 

◆お湯を入れて3分 


確かに恋だった様よりお題をお借りしての短文です。






お湯を入れて三分








「よーっス!」

「黒木、遅ぇよ」

「まぁカテェこと言うなよ!それよりトガー!腹減った!何か作って!」

「ハ?お前イキナリだな」

「良いじゃん!何かねぇの?」

「カップ麺くれぇしかねぇぞ」

「俺焼きそばバゴーン!」

「ねぇよ!ラーメンオンリーだ」

「………」

「ちぇー。じゃ、湯沸かして」

「自分でやれ」

「………」

「十文字?」

「あ?何?」

「なぁ十文字も食うか?ラーメン」

「お、おぅ。出前か?」

「いや、カップ麺で良いだろ」

「カップ麺……」

「んじゃ十文字ィ!湯ー!」

「おぅ…おい!戸叶、ポットにコンセントねぇぞ」

「んなハイテクなもんあるか!ヤカンで沸かせ」

「ヤカン……」

「手際わりぃなぁ。俺がやる!十文字どいてろ」

「………わりぃ」

「………」

「…………」

「………」

「…チャーシューとかナルト…買ってくれば良いのか?」

「はぁあぁぁあ?」

「ハ?別にいらねぇよ」

「そうか……スープの作り置きとかあんのか?お前ん家」

「ハ??」

「よっしゃあー沸いたぜぇ!」

「お前はいちいちうるせぇな」

「細けぇこと気にすんな。よし!十文字、フタ開けてくれ」

「フタ……?」

「おぅ!」

「…………」

「?じゅーもんじー!はーやーくー!」

「…………」

「……十文字、お前…まさか、カップ麺知らねぇ、とか?」

「………。」

「マジかよ!!どんだけ!?」

「バカにすんなっ!知ってる!!仲間由紀恵とか国分太一とかのアレだろ!」

「それはチキンラーメンだ!」

「……どうりで卵を出さないわけだ」

「その覚え方もどうかと…」

「お前、頭イイクセして常識ねぇよな」

「はぁ!?黒木に言われたらおしまいだ!」

「はぁぁあぁあ!?」

「まぁ、いいだろ。こん中にお湯を注いで、三分たったらあらいやんあっという間にラーメンの出来上がり」

「はぁ?三分でラーメンが出来るわけねぇだろ!俺が食ったことねぇからってバカにしてんだろ!」

「………」

「…………」

「…何だよ…」

「いや、お前…」

「ボンボンっつーか、世間知らず?」

「はぁ?」

「いや、もう良い…まぁ、騙されたと思って食ってみろ」











「……美味いな、コレ」

「だろ?」













【おわり】







金持彼氏と庶民彼女題 より抜粋してお借りしました。
十文字はおぼっちゃま君。

2009/09/08(Tue) 23:17 

◆最初はグー! 


セナと三兄弟のお話です。








お昼休みはウキウキ☆







黒「あー喉乾いた」

十「俺、コーヒー牛乳」

戸「俺、ファンタ」

黒「ファンタなんか購買にねぇよっ!」

戸「んじゃ、りんごジュース」

黒「つぅか、俺行くのかよっ」

十「お前が飲みてぇっつったんじゃん」

黒「お前らの分までパシるかよ!ジャンケンな」

十「……良いのか?」

黒「何言ってんだ?よっしゃ行くぞ、最初はグー!じゃーんけーんパー

十・戸「チョキ

黒「…………また俺の負けかよ…」

戸「お前ジャンケン弱ぇくせに、いつもやるよな」

黒「うっせぇ!あ、セナ、お前喉渇いたよな?」

セ「え?」

十「おい、何セナに押し付けようとしてんだよ」

戸「お前がジャンケンっつったんだろ」

黒「うっせぇな!」

セ「じ、じゃあ…ジャンケン…する?」

黒「お?やる気か?ふふふっ後悔すんなよ!行くぜ!最初はグー!じゃーんけーんパー

セ「チョキ





黒「うぉおぉぉぉ!また負けたっっっ」

戸「ばかじゃねぇの?」

十「セナも何か頼んどけよ」

セ「え?ぼ、ボクは良いよ…」

戸「セナは牛乳5本だとよ」

セ「えぇっ?」

十「お前ちっこいからなぁ。そんぐれぇ飲め」

戸「ついでに黒木が奢れだと」

セ「い、言ってないっ!言ってない!!」

十「早く行かねぇと時間なくなんぞ」

黒「ちくしょっ!明日は絶対勝ってやるっっっ」









「アイツ、いつになったらパーしか出してないって気付くんだ…」






やべぇ、財布に50円しか入ってねぇっっ!






黒木はジャンケン常に同じのしか出さなそうだ、というのと、セナがジャンケンで決めようよ、とか三人に言えるようになってたら良いなぁ、という妄想から出来たお話。
セナは十文字とトガに黒木とジャンケンするときの必勝法を教えてもらいました。しかし牛乳5本はイジメじゃないかと。

お目汚し失礼しました!

2009/09/08(Tue) 23:14 

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