オチ

拍手過去文。夢。
◆十文字夢。 




3択です?
いいえ、選択権はありません。








「お帰りなさーい」

「おう、ただいま」

「ご飯にする?お風呂にする?それともあ・た・し?」



「飯。腹減った」

「おっけー。じゃあ寝室へレッツゴー」

「はぁ!?人の話聞いてたんか!風呂も入ってねぇし…」

「え?一緒にお風呂入りたいって?もー欲張りさんなんだからぁ」

「ちげぇえええ!離せっっっ!!」





いつまでたっても照れる十文字は、面白い。












おわり。





何か一人だけおかしい。十文字←ヒロインでヒロインが押しかけ女房で十文字は振り回されてればいい。ヘタレなんだから←え。

2010/03/16(Tue) 23:58 

◆十文字夢。 







十文字は歩くのが遅い。
肩に鞄を引っ掛けて、腰で履いてる制服をズルズルと引きずって、だるっそうに歩く。

いや、基本的には早いんだけど、アタシと2人で歩くのはやけにゆっくりになる。



併せてくれるのは…嬉しいんだけど…。
私のペースにしてもやけに遅くて、調子が狂う。


でも、決してペースを上げたりなんかしない。普通に戻したりしない。




「……てめぇと歩くと、家までの時間が倍になる…」

「うん、ゴメンね」



ぶつぶつ文句は言うけど、ペースを上げたり私を置いていこうなんて考えない。
ゆっくりゆっくり歩く。
だからあたしもゆっくり歩く。


遠回りしよっか、なんて言えないから。
だったら、ゆっくり歩いた方が少しでも一緒に居られるでしょ?










【おわり】

2010/01/07(Thu) 23:22 

◆黒木夢 






黒木の歩くペースは…何ていうか不規則。


ゆっくり歩いたかと思えば、急に走り出したり。
いつもの道から外れたり、興味があるものがあったら閉店スレスレでも入って行ったり。

何だか疲れるんだけど。帰り道なんかは特に。







でも。




「お!これお前の好きな花じゃね?」

「うん、そうだね」



大抵は普通の道だったり暗くて前が見えないような砂利道だったりなんだけど。
時々、新しい発見だったりこういう風に何てコトないけれど嬉しい発見だったり。




だから、何だか黒木と歩くのは悪くないなぁ、って思う。









【おわり】

2010/01/07(Thu) 23:21 

◆戸叶夢。 


戸叶は歩くのが早い。

アタシは女の子なんですよ。歩幅が違うワケなんですよ。
少しはそこんとこ気遣う余裕のある男になりませんかね、戸叶サン。

大体漫画読んでるからあたしが今どこ歩いてるかわかってないんじゃないの?



ぶーと文句を心の中で呟いてみても。駆け寄るなんて真似はしない。



だって。





「あれ?…おい、早くしろよ」


気付いて呼ぶ戸叶の声と。



「悪いな。気付かなかったわ」


そう悪びれなく謝る顔が何となく好きだから。




またペースを併せないで歩くの。置いていかれても、いつも気付いてくれるから、嫌いじゃない。







【おわり】

2010/01/07(Thu) 23:20 

◆恋しくは、 

確かに恋だった様より「恋から詠む題」から抜粋しての短文になります。
お相手は3兄弟の誰か夢。














恋しくは、 携帯見つめる 午前零時




字余りにも程がある。
苦笑しながら少女は携帯電話を開き、ディスプレイを見つめる。

そこには、大好きな大好きな彼の名前。


メールが返って来ないのだから寝ているのだろう。
自分も寝てしまおうか、朝になれば。また彼に会えるのだから。


しかし、何だか寂しくて。
声だけでも聞きたい。


確実に以前より話す時間が減った。何てコトはない。部活が忙しいからだ。それは喜ばしいことだし、応援もしている。前みたいにただただ暴れまわっているよりも、全然良い。目標に向かって燃えている彼の姿は、誇らしい。


けれども女ゴコロは複雑なものである。一心不乱に頑張っている彼が好きなのに。私のコトも考えてくれている?なんて不満も出てくるのだから。


勝手だな。


自嘲しながら携帯をまた見つめる。

鳴らしてしまおうか。疲れて寝ていれば、熟睡しているだろうし。
もしかしたら本に熱中していてメールを忘れているかもしれない。



えい、と勢いよくボタンを押す。
数回のコール。






出ない。
あぁ、寝ているのか。


疲れているなら休んでいて欲しい。
でも声が聞きたかった。何でもいい。おやすみ、の一言でも良いんだよ。


寂しくて、恋しくて。
ワガママなんだよ。女の子は。



もう寝てしまおう。
寂しくてかけた電話なのに、繋がらないと更に寂しさが増す。なんて負の連鎖。


はぁ、と溜め息を吐いて部屋の電気を落とす。




おやすみなさい。明日も頑張って。


既に寝ているであろう彼に心の中で呟いて。




ベッドに横になろうとした際。
携帯が鳴った。



大好きな着メロは大好きな彼のため。
慌てて通話ボタンを押す。




『おぅ』

「あ…ゴメン。寝てたよね?」

『いや、運転してた。ワリィな、出れなくて』

「ううん!いつもの2人と?」

『いや、1人。何かあったのか?』



電話越しの声は普段より低く聞こえてきて。いつもよりドキドキする。

あぁ。失敗した。声だけでも、なんて無理な話。
会いたい、なんて欲張りな望みが身体から湧き上がる。



「ううん。何でもないんだ。ただ、声が聞きたかっただけ」

『なら、俺の勝ち』




は?




『窓、開けてみろよ』

「へ?」



間抜けな声を出しながら、カーテンを開けば。


勝ち誇った顔をした彼が目の前に立っていた。




「よぉ」

「……!!」

「声だけじゃ、我慢出来ねぇんだよ。俺は」



カラカラとなるべく静かに窓を開ければ。
子供みたいな笑顔をした彼が、身を乗り出した私にキスをした。






恋しくは、時間気にせず 傍らへ。





【おわり】





駄文大変失礼いたしました!

2009/09/28(Mon) 21:26 

◆りんご。 

十文字夢文。









真っ赤なりんご。二人分。












「ねぇ、好き?」

「あん?」

「アタシのコト、好きですか?」

「……〜〜っ!はぁ!?」

「だって、十文字って言ってくれないじゃん!たまには言ってよ!」

「………嫌だ」

「嫌って何よ!?ヒドい!」

「…言えるかボケっっ!」

「ボケと来たか。恋する乙女の切なる願いを!」

「うっせぇ!お前だって言わないだろうが!!」

「好き好き大好き一輝君超好きぃ!!」

「………」

「どう?」

「何か、腹立った。」

「…ヒドいわねぇ…じゃあ、しりとりしようか」

「お前は脈絡というものを少しは考えろ」

「はいはーい、じゃあアタシからね!ナス」

「誰がやるって……」

「ほほぅ!あたしに勝てないからって逃げるのかい!?語彙が貧弱な十文字君」

「っ!誰がっっ!ス、だな…スブタ」

「タコス」

「スルメ」

「メス」

「………なぁ、」

「何よー、ス、よ」

「まさか、しりとりで好きって言わせる気か?」

「…………」

「…猿知恵だな」

「ムキャー!」

「怒り方まで猿じゃねぇか!」

「良いわよ良いわよ!じゃあ、やめる!今度は…フロア!アよ!」

「まだやんのか…朝」

「サ…………負けました」

「早ぇな!」

「いや、愛してる、って言わせようとしたんだけど…アで終わる言葉って少ない…」

「アホだな」

「むぅ…十文字が悪いんじゃない。たまには甘く優しく愛を囁いてくれたって良いじゃない。」

「拗ねんなよ…………言えば、良いんだな?」

「え?」





















好きだ、愛してる














「……もう言わねぇかんな」

「………」

「ンだよ…文句あんのか?」

「…いや、……やっぱ、あんま言わなくていいや……」

「はぁ?」

「…だ、だって………」









心臓が、ドキドキして壊れそうになる














真っ赤なほっぺが、二人分。







おわり。

2009/09/28(Mon) 21:25 

◆夏休み 



三兄弟でラスベガス帰国後。会話文でごちゃごちゃしてます。





「信じらんない信じらんない信じらんない!!」

「オレらだって信じらんねぇよ」

「まさか初の海外旅行がアメリカ大陸横断とはなぁ」

「しかもスッカラカンで帰るとは」

「そうよ!しかも何あたしのアドバンスのソフトまで売っぱらってんのよ!ばかぁ」

「終わったコトは気にすんなよ」

「あんたがどうしてもって言うから貸してあげたのに!」

「まさか一回も当たらないとは思わねぇだろ」

「パチ屋にだけは行けねぇな、俺たち」

「しかもお土産がラスベガスの砂って!!甲子園球児かよ!!」

「違う違う、アメフト部員」

「知ってるわよ!!大体、何であたしがアンタ達の宿題の面倒まで見ななきゃいけないのよ!」

「わりぃな」

「お前だっていつも最終日ギリギリまでやんねぇのに、珍しいな」

「ヒル魔さんから突然電話来て、やっておけって言われたのよ!怖かったんだから!すっごい怖かったんだからぁ!!!!」

「それは分かる……」

「つか、お前チャーハンしょっぺぇよ」

「人んちにいきなり来て宿題写して勝手に飯くって更に文句まで言うのか!あんたは!」

「まぁいつものコトだろ。あ、ここ違ってんぞ、お前」

「本当に英語は出来ねぇなぁ。」

「ムカつくー!しかも海行くから予定空けとけ、水着買っとけって言ったのアンタ達なのに、実際休み入ったら電話通じないし、メール帰ってこないし!アンタ等三人で駆け落ちでもしたかと思って心配したんだから!」

「ハ?」

「はぁ?」

「はぁぁぁあぁあぁ!?」

「お陰で真っ白よ!もぅ!海行きたかったのにぃ」

「あー…、来週連れてってやっから」

「あぁ、来週か。」

「え?本当に!?」

「おぉ。まぁ現地集合だけどな」

「………」

「帰りももしかしたら一人かもしんねぇけど」

「………まさか……」


「「練習試合」」

「湘南で」

「連れてくとかそういう問題じゃないわよね!!それ!!」

「良いじゃん、来いよ」

「あ、あれ持って来いよ。レモンのはちみつ漬けたやつ」

「何であたしが!!美人のマネージャーさんに作ってもらえば良いじゃない!!」

「あれはお前の作ったのが一番旨いから。」

「…………………」







「な?」












「分かったわよ。………当然、勝つんでしょうね」











「あったりめぇだろ」
「アメリカ横断ナメんなよ」
「3割増で格好いいから惚れんなよ」
















「ばぁか」










【終わり】

2009/09/28(Mon) 21:24 

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