オチ

拍手過去文。夢。
◆1.些細なことをきっかけに生まれるらしい 








「どうしてアタシを好きになったの?」



そう問われて一考。







どうして、と聞かれれば。



「怒んねぇ?」


「何で?」






「中学ん時」

「そこまで遡るの?」

「夏、俺と二ケツしたの覚えてるか?」

「初めてバイクに乗せてもらったとき?」

「おー。そん時」

「へぇ…何で?」

「……………………」

「戸叶?」




「薄着で、ペタッとくっ付いて、お前って意外と胸がでけぇな、と思って」










「サイテー……」

「ガキの頭なんざンなもんだ。良いじゃねぇか。きっかけは何であれ、お前のワガママでぶっ飛んだ性格も、笑顔も泣き顔も今じゃあ全部好きなんだから」





「………怒るに怒れないじゃない…」

「お前が言われて嬉しい言葉なんざいくらでも知ってる」




悔しそうに唇を尖らせる彼女の頭を笑いながらぐちゃぐちゃかき乱した。



【おわり】




本当は、怖がって震えてしがみついた腕が、可愛かったから。
なんて言えやしねぇ。



2010/07/11(Sun) 21:10 

◆2.お金では買えないらしい 







「食った気がしねぇ」



そう呟いた女。
誕生日なんだしたまには、と気を張って親のコネやら何やら勝手に使って、普段なら絶対行かねぇような高級レストランに連れて行って、これまたたまには、と高いプレゼントを買ってネックレスを贈ってみた。一応は喜んでみたものの。どうも納得いかねぇらしい。


まぁンなもんで喜ぶ女じゃねぇとは思ったが、ここまでやって喜ばねぇのもどうも困る。



「なぁ、ラーメン食いてぇ」

「はぁ?さっき散々食ったじゃねぇか」

「言っただろ、食った気ぃしねぇって」



優雅なフォーマルドレスに身を包みながらも、小汚ぇ店を目指す女。


「大体、着慣れねぇモン着て高い飯食って、良いモン貰ったって、ンなのアンタらしくもねぇし、アタシらしくもねぇ」


「………」


「別に金なんざ出さなくったってアタシが喜ぶモンなんか知ってんだろーが」



「………カッ」




言い切る女に笑って。
締めてたネクタイを緩め、撫でつけた髪をかき乱して。


「おぅ、ラーメン食ったらツーリング行くぞ」

「この格好でか?」

「ったりめぇだ。時間が勿体ねぇ」

「は、色気ねぇなぁ」




ケラケラと笑う女。
高い金出して、この女の気を引こうなんざ、全く俺もどうかしていた。




【おわり】



おい。
あ?
プレゼントしたやつ、質屋に売るなよ?
…流石にしねぇよ。箱ごと飾っておく。
いや、そこは着けるって言え……。







駄文失礼しました。葉柱。
夢でも大丈夫かな、と思ったらやっぱりメグさんぽ。

2010/07/11(Sun) 21:09 

◆3.勝手に大きくなるのを止められないらしい 







いやいや、何てゆーのかな。相手は勝つためなら手段を選ばない。傍若無人。天上天下唯我独尊を地で行く悪質極まりない、極悪非道の男なのだ。



じーっと見てみる。




「何ガンつけてんだ。仕事しやがれ糞マネもどき」


カチャと銃をスタンバる彼に慌ててキーボードに目を向ける。


初めは怖くて怖くて仕方なかった。何故かうっかり部室に足を踏み入れた瞬間にアタシの運命はこの人の手の中に収まってしまった。

別に脅されてるワケじゃない。いつ脅されるか分からない恐怖から従ってしまった。



けれど実際慣れてみれば、ただの悪魔じゃなかった。


どこまでも純粋で。
どこまでも真っ直ぐで。




そういうのを知った所為か、もはや恐ろしくて酷い、というイメージは無くなった。





だからって。


惚れる意味は分かんない。



何で、こんな難しいヤツに惚れちゃったんですか!アタシよぉ!!



「うっせぇぞ糞っ!」

「え、アタシ声に出してました?」

「顔がうるせぇ」

「…………」


こんなコトを平気で言い放つ。アタシはもっと柔らかくて優しい人が好きなはずなんだけど。



「ケルベロスにエサやってくる」

「はぁ」

「オラ」

「?」


そう言い放ち、立ち上がる。
ガサガサと袋を漁れば、ひとつアタシの方に投げてきた。



「やる。さっさと終わらせて帰んぞ」



扉をガチャと開けて出て行く。



手に収まったお菓子を見て、アタシは机に突っ伏した。



知ってます?
アタシが前に好きだと言ったこの甘いお菓子は。
もうお取り寄せしないと買えないんですよ。



胸がドキドキしたまま、口に入れた。
あの人がこれをお取り寄せしてるのを想像して、また胸がドキドキした。





【おわり】


初ヒル魔夢。ちょっと一回滝修行して来ます。

2010/07/11(Sun) 21:08 

◆4.追いかけると逃げて行くらしい 








「押しが足りねえのかな」
「どうなんだろ?実際どうなの?相手は気付いてるっぽい?」

「どうだろーな」

「うーん…でもさ、トガがガンガン押すイメージってないかも」

「そうか?」

「うん。実際はどんなことしてんの?」

「…話したり、遊びに誘うっつーのは流石に無理だから、みんなでまとまって行ったときでもさり気なく隣に居てみたり、プレゼントっつーワケじゃねぇけど、飴やらチョコやらを特別に渡したり」

「へぇー。長期戦狙い?」

「短いに越したことはねぇけどな」

「じゃあ、ガーッと行けば?」

「ほぉ」




ガーッ、と。ね。






ふと、黙る。沈黙。

首を傾げた彼女の腕を突如掴んで。しばし見つめる。

少しだけ引き寄せる。





「なぁ、」




俺のこと、どう思う?





耳元とまでは行かないが。彼女にしか聞こえない距離で彼女にしか聞こえない音量で。




表情が固まった彼女。
ゆっくりと離して、トーンを変える。




「こんな感じか?」





そう笑ってやるが、まだ緊張が解けないようで。




「あ、…うん。良いんじゃない、かな」


辿々しく答えたあと慌てたように、忘れ物した、とこの場から離れようとした彼女。



「おい、」

「ん?」



振り向いた彼女にポケットから出した飴を放り投げる。



「サンキューな。また宜しく」

「あ、ありがとう」




ガチャ、と扉を開けて駆け出す後ろ姿をただ眺める。




一気に押したら結局逃げるんじゃねぇか。



クックッと喉で笑って。



「やっぱ長期戦だなぁ」





一気に追いかければ逃げていくなら、徐々に差を縮めていくしかない。




追いかければ逃げていく、されど、追いかけなければ近付くことすら出来ない。


難しいもんだ。




口に入れた飴はミント味がやけに甘かった。




【おわり】




戸叶夢?戸鈴にしようとしたけど鈴音タンは逃げなかった。



精進します。

2010/07/11(Sun) 21:07 

◆5.うまく育てると愛に進化するらしい 






「恋は、相手を想い合うことで恋愛になるんだ」

「は?」

「そして、恋心がなくなって、愛情になる」

「はぁ」

「そして、最後には情だけが残るんだ」

「へぇー」





「だから、」





恋から始めてみませんか?




そう手を差し出せば、ヘタクソな告白ね。少しだけ頬を染め、笑いながら手を握ってきた。



ゆっくり、歩きましょう。







【おわり】






十文字。のつもり……別人28号。





相変わらず変な文章ばっかで申し訳ないです。


以上確かに恋だった。様から「恋ってやつは5題」お借りしました。

2010/07/11(Sun) 21:06 

◆no title 

黒木夢です。














「みーそ」

「みーそ」

「しょーゆ」

「しょゆっ」

「「とっとっとっとっとっとーんこつ塩らーめん」」



2人で歌を歌いながら夜道を歩く。



「そもそも色気が無いわよね」

「あー?」

「女の子とご飯ってのにらーめんを選ぶアンタのセンス。」

「良いじゃねぇか。別に」

「別に良いけど」


「俺の彼女の条件はラーメン屋デートが出来るってのだから」

「………え、つまりそれはアタシがアンタの彼女になる条件を満たしてるっていう告白?一生お前とラーメン屋でご飯食いたいって??ゴメン黒木、絶対無理。嫌。マジで有り得ない」

「ちっげぇ!深読みすんな!!こっちだって無理で嫌で有り得ねぇっ!」



突っ込めばカラカラと笑う。




「アンタの理想ってよく分かんないわよねぇ」

「そーかァ?」




普通だろ。
気兼ねなく、無理しないで付き合える女が良い。
あと、もう一つ。






「うん。あ、早く行こ。十文字と戸叶先着いてるってよ」

「おー」





女とも何とも思ってねぇけど、一応女の子なコイツとラーメン屋行ってもヤキモチ妬かねぇでうるさくねぇ女が、俺の理想。





おわり。

2010/05/01(Sat) 09:37 

◆彼女の弁当は俺のため?んなワケねぇけど今日もうめぇ。 

十文字夢です。











「頂きっ」

「ぎゃっ!」


ふっと腕を伸ばし、一点だけに狙いを定める。見事的中したそれを口の中へと放り込む。


「………」

「うめぇ」


もぐもぐと口を動かせば、恨めしそうに女が睨んで来る。残念だったな。既に咀嚼を終え、喉を通って胃の中へ。ごちそうさんでした。



「はぁ……まぁ良いけど」

「そういや、お前卵焼き俺に食われんの知ってて入れるよな」



毎日。


そう尋ねれば、


「無かったらアンタがっかりするでしょ?」


ほうれん草のおひたしを箸で摘みながらしれっと答える。



「………」

「?」








「……からあげも明日入れてくれ」






羞恥を堪えながら頼めば、自分で買え、と笑いながら言われた。




明日のおかずは豪華になりそうだ。







【おわり】

2010/05/01(Sat) 09:36 

◆理想の朝食。何だか少し違うと思う。味噌汁が少しだけしょっぱい。 


戸叶夢です。











トントントン。



包丁の小気味の良い音を出していれば。
火にかけていた鍋からは味噌汁の良い匂いが漂ってきた。





「………おはよう」



後ろから声を掛けられたので、短く、ん、とだけ返す。







のそのそと起き上がり、テーブルの前に座る。




「………頂きます」

「おぅ」



カチャカチャと甲斐甲斐しく炊きあがったご飯とお味噌汁を並る。



「………美味しい」


寝ぼけ眼のまま、そう微笑む。




「………トガって良いお嫁さんになれるよ」

「…………」



そう呟く目の前の女にため息を吐き出す。
何だかおかしくね?



「………トガぁ?」


「いや、何つーか………何で俺が作ってんだ?」

「トガの家だからじゃない?」

「………」

「………」

「俺の理想としては可愛い彼女が朝起きたらこういう風にご飯作ってて、起きないと冷めちゃうよ?とか可愛く言われたいんだが」

「トガのが朝強いし?アタシはアンタの彼女でもないし?」

「まぁ、可愛くもねぇしな」

「………朝っぱらから殺意が沸いた。」

「その殺意はそこで未だに寝っ転がってるヤツらに向けてくれ」



そう黒木と十文字を指差せば、黒木がダルそうに起き上がる。



「うううー…頭いてぇ……」

「飲み過ぎだ。水でも飲め」

「おー…」

「ついでに十文字に毛布掛けておけ。風邪引きやすいんだから」

「………うぃー…」

「………」




なんつーか…お嫁さんっつーか…。




「…おかんみたい…」



自分でも思ったけど言うんじゃねぇよ。



【おわり】

2010/05/01(Sat) 09:35 

◆黒木夢。 




3択です。
答えは全部。










「お帰りなさーい」

「ただいま」

「ご飯にする?お風呂にする?それともあ・た・し?」







「飯!」

「へ?」

「んで風呂ー」


「はぁい……」







「好きなモンは、後のお楽しみ、だろ?」





耳元で囁く黒木に、一瞬で顔が赤くなった。







おわり。






ベタに行ってみた。

2010/03/17(Wed) 00:20 

◆戸叶夢。 


3択です。
規格に捕らわれちゃいけません。














「お帰りなさーい」

「おぅ」



「ご飯にす…」


「お前。」

「ちょっと…早いですねぇ、戸叶さん。折角なんだから最後まで言わせてよ」


「へーへー」

「お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも…」

「ジャンプ」







「はい?」


「ジャンプ買うの忘れた。もっかい出て来る」





いつまでたっても少年から抜け出さない彼を、玄関先で見送った。

このパターンは想定していなかった。





おわり。





ちょっと切ないヒロイン。トガさんの優先順位はいつまでもジャンプ≧友人>彼女だと良い。←。

2010/03/17(Wed) 00:19 

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