纏本
□PHASE.9『爪痕』
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「……くっ!?なんだあの機体はっ!」
突如割って入った翼を持つ機体は次々とウィンダムとムラサメの武装やカメラを破壊して戦闘不能に陥らせていく。
副官の困惑はブリッジに居る要員だけでなく、前線の部隊も同じだった。
圧倒的な数で反撃に出るも、放たれる弾頭や火線全てを避けきり、その素早い機動力と正確な射撃で次々と無意味となっていく。
「……無差別に問答無用だと言うつもりか!」
大きく振りかぶり腰と背中の砲門を構えてそこから放たれる圧倒的な火力で一度にMS部隊の数を減らされ、副官は舌を噛みそうになった。
「……フォビドゥンに向かわせろ!!あいつを落とさないと我が隊は全滅だ!」
火力もそうだが、機動力も連合軍が所有するMSより素早い。
乗ってるパイロットも相当な技術の持ち主なのか、被弾らしい被弾を与えれずに確実にこちらの戦力を根こそぎ奪っていく。
「レズン……」
「はっ!?」
今まで沈黙を保っていたエヴァンに名前を呼ばれて副官は過剰ともいえる反応で恐る恐るエヴァンを見る。
表情は変わらず、相変わらず怪しく光を反射するサングラスに唾を飲み込んだ。
「俺も出よう……此処はお前に任せる」