yu-yu-hakusho K

□レイン
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(あり、)

駅の近くにあるマンションの一室、のドアの前で佇む一人の青年。

あたりは真っ暗。そして静かだ。

この時間はほとんどの住民が寝ているだろう。



だが、

いるはずの己の恋人の妖気を感じない。おかしいな。

腕につけている時計に目をやる。


現在午前1時36分。

この時間ならもう家にいるはず。

不思議に思いつつ合鍵でドアを開ける。

入った部屋は当たり前だが暗い。

リビングを覗くもそこには誰もいない。物音一つ無い。




だが、寝室だけ違った。

サワサワザワザワ音がする。

そっと開けてみるといつもはおとなしい植物(別名結界)。


「なんだぁ?」

植物たちはザワザワ音を立てているだけで攻撃はしてこなかった。

「だから何。ちょっ、黙って。蔵馬は。ちょ、」

一拍おいてから1言。

「蔵馬に……なんかあったのか?」

俺のその静かな言葉に植物たちはパタリと音を止めた。

それを見て背中に冷や汗が流れるのを感じた。

(無事……なのか?)

植物たちが再びサワサワと音を立てる。

まるで幽助に助けを求めるように。

いや、求めているのだろう。主の身をあんじているはずだ。

俺は考えるより先に部屋を飛び出していた。

彼がどこにいるかなんてわからない。

だけど、見つけ出してやる。必ず。


それまでどうかーーー



無事でいてくれ………蔵馬!
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