HUNTER×HUNTER K
□Christmas 2015ver.
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「わっ!」
「大丈夫か?」
「おー、生クリームがとんだだけー」
びっくりした…、とキルアは生クリームを泡立てながらボソボソと呟く。
今キルアはクラピカと共にクリスマスケーキを作っている。
ゴンとレオリオはチキンやお菓子などを買いに出かけている。
久しぶりに4人で会え、ゆっくりと、だが騒ぐことの出来る貴重なひととき。
キルアは久しぶりに会えたクラピカの顔色を盗み見、ほっとした。
「(あれ以来行き過ぎな無茶はしてないみてーだな…)」
随分と会っていないからわからないが、でもなんとなくそう思った。
心地よい静けさの中、たまに会話をするぐらいで作業は進んでいった。
「よし!出来たぜ!」
最後の苺を生クリームの上に乗せクラピカを振り返る。
「!?」
そこで見た彼はそっと微笑んでいて、胸がはねた。
「(ふ、不意打ち……っ)」
「2人が帰ってくるまで冷やしておこう」
「お、おう」
出来上がったケーキをクラピカは冷蔵庫へそっといれる。パタン、と扉を閉じるとキルアを見、
「それまで何しようか…」
ほんの少し眉根を下げキルアに問うた。
そう、ぶっちゃけるとゴンとレオリオが帰ってくるまで暇なのだ。
先程テレビをつけてみたがドラマ特集やら歌番組ばっかりでつまらなかったのだ。
「ん〜、いやゆっくりしてようぜ」
のんびり待と〜、とクラピカの手を引きながら言うキルア。
「……クス。あぁ、そうしよう」
2人が帰ってくるまで、この穏やかな時を少しでも。