あの夏の想い〜九ノ瀬遥〜

□出逢い
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―――!


―――!


(・・・ここは・・・?)



「のの...?


よかった...。」



「お母さん…?


ここは…?」



母「ここは病院よ。


昨日、ののが乗ってたバスが


バスジャックにあって


バスの中で気を失っていたから


病院で見てもらったの。」



(確かその時に私は


撃たれたはず…。)



しかし、どこを触っても


傷は無いようだった。



「お母さん、私、撃たれた…。」



「何言ってるの?


きちんと診てもらったけど


傷なんてなかったわよ?


本当に…よかった…。」


ふと、ななも


撃たれたことを思い出した。


「ななは…?」



「ななちゃんは…。」



母はそこまで言うと、俯き、


無言になった。


(そんな…。)


信じたくない考えが


頭を過った。



「見つかってないの。


警察もずっと探してくれてるけど…。」



(いない…?)


どう受け止めていいのか分からず


思考が止まりそうになる。



(・・・生きてる。


何処かで、必ず・・・!!)



根拠は無い。


それでも信じていなければ


持たないと思った。
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