絆道

□第23話
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ガアラ VS ロック・リー

明らかな強敵を相手に何やら聞いてるこちらが不安になりそうな会話を真剣に繰り広げるリーとガイ。



「よし!リー行ってこい!!」

「オッス!」



柵を乗り越え、観覧席から飛び降りる。
着地したリーは正面から我愛羅を見据え、不敵に笑んだ。



「早々とアナタと闘れるなんて嬉しい限りです…」

「……フン」



我愛羅は静かにその場に佇み、リーは構えを取り、二人は向き合った。



「あのオカッパがどんな攻撃するかは知らねーがな…
我愛羅にゃ勝てねーよ…絶対にな…」

「いや…あいつは強えェ…」



ユウもナルトの言葉に同意を示した、その時。
リーへ向かって何かが飛ばされ、難なくそれをキャッチする。



「そうあわてないで下さい」

「(気を付けろよ…リー…)」



試合開始の合図が、上がった。
まず仕掛けたのはリー。
勢いのある蹴りを繰り出すが、それは我愛羅の瓢箪の中から出現した砂によって受け止められてしまう。



「砂の楯…」



やはり我愛羅は……とユウの予想が確信へと変わった。
我愛羅の砂に攻撃され、リーは地面を転がってかわし、距離を取らされてしまう。
負けじと素早い動きで我愛羅へと距離を詰めていき、高速に打撃を繰り出していくが、それは全て我愛羅の砂によって阻まれ、本人には届かない。
我愛羅はその間、ピクリとも動かなかった。


あの守りは“あれ”の特性から考えてあり得ない。
でも砂を操ってるっていうよりあれは砂が…?

考え込むユウの隣りでナルトが信じられないとばかりに我愛羅を見ていた。



「全然攻撃が通じねーってばよ!」

「アイツにはどんな物理的攻撃も通用しねェ…我愛羅の意思に関係なく砂が盾となって…
自らの身を守っちまうからな
…だから今まで誰一人としていねーんだ…」

「…?」

「…我愛羅を傷付けた奴なんてな」

「…!」



砂が我愛羅をオートで守っている…?
驚くユウの目に、カンクロウの恐怖に怯える瞳が映った。
それが、どんな武器よりも人を傷付けることの出来る物だということを、ユウは知っている。
我愛羅を見下ろし、ユウは痛みを堪えるように瞳を細めた。

なぜリーは忍術を使わないのか、と最もな疑問をガイへぶつけるサクラ。
ガイはリーは忍術を使わないのではなく、使えないのだと語る。
だから忍者としてリーが生きていくために残された技は体術しかなかったのだと。

迫り来る砂から逃げるためにバク転で後退し、大きく跳躍して石像の上へと降り立ち、なんとか逃れる。



「だからこそ勝てる!」



断言されたそれに訝しげな声をあげる。
ガイは親指を立て、リーへ声を張り上げた。



「リー!外せ――――――!!」

「!で…でもガイ先生!
…それは―――大切な人を“複数名”守る場合の時じゃなければダメだって…!」

「構わーん!!オレが許す!!!」

「……アハ…ハハハ…」



少し笑みを見せたリーはレッグウォーマーを取る。
露わになったのは、“根性”と書かれた大量の重り。
両足に付けられたそれを外し、レッグウォーマーを再度着用するとリーは立ち上がった。



「よーしィ!!これでもっと楽に動けるぞ――――――――――――――――!!」



パッと重りから手を離す。
なるほど、と何やら納得しているナルト以外、みんな呆れる者、それくらいでとバカにするような笑みを浮かべる者。
しかし、次の瞬間、床へと落下した重りは砂塵を上げ床すらも破壊した。
尋常ではない重さだったということは誰の目から見ても明らかで、誰もが目を見開く中、あれをつけてあんなに素早く動いていたのかとユウは感嘆の息をつく。



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