絆道

□第9話
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「やっと帰ってきたってばよー!!(ようやくサスケとカカシ先生から開放されるってばよ……)」

「なんか久しぶりって感じだね」



ほのぼのと言うユウは涙目のナルトに気がつかないらしい。


ここで前回のあらすじ
波の国から帰ってくる道中、帰ったら誰かと遊ぶ約束をしていたあたし。
そんなあたしは親友のサクラにだけ誰なのかを教え、内緒ね、と可愛らしくお願いし
「ちょっと待ってちょっと待って!?あれ?なんかこれあたしから特別に教えたみたいになってるんだけど?!
あれ?そうでしたっけ?!しかもサクラなんであたしの口真似をしてあらすじを?!」

「全くもう、うるさいわね〜。同じようなもんでしょ?」

「全然違うよ?!脅したよねサクラ!?」



渾身のツッコミもサクラはスルーし、報告書を提出しに行って帰ってきたカカシを見上げる。



「それで、カカシ先生?
私たち明日から2日間休みを貰えるんですよね?」

「ん!まぁ、初めての長期任務だったしねー。
今はそんなに人手不足ってわけじゃないし……火影様も快諾してくださったよ」



うーん、シカマルは明日か明後日、お休みかなぁ……

休みだったらいいな、と思っているとトン、とサクラに背中を押され、よろける。



「ホラ、こっちはもう終わったでしょ?
今すぐ会いに行ってきなさい」

「サクラ……」

「私は甘栗甘で待ってるから、ちゃんと来るのよ?」



応援してるからね、と綺麗に微笑んだサクラに自分でも表情が柔らかくなったのが分かった。

あたしが初めて友達と遊ぶんだって楽しみにしてること、バレちゃってたんだろうな……。



「ふふ、サクラには敵わないね。
じゃあ行ってくるね!!」

「はいはい、気を付けて行ってくるのよ?」

「うん!!それじゃあ、カカシ先生、ナルト、サスケまたね」



手を降って、あたしは頭に叩き込んだ住所先を目指し、駆け出した。



「よし、オレたちも行くぞカカシ、ナルト」

「ってオレも行くのかよ!?」

「でもユウって妙に鋭いから尾行するのも骨が折れそうだよね」

「また無視?!」



ヒソヒソと怪しいことこの上ない男性陣を見てサクラは怪訝そうな顔をする。
そんなサクラを視界の端に捉え、ナルトが縋り付くように駆け寄った。



「サクラちゃん!」

「な、なによ……」

「ユウの奴、誰に会いにいくのかおせーてくれ!!」



あの2人はオレには止められないんだってばよォー!っと叫ぶナルトを鬱陶しそうに見て口を開く。



「無理よ、誰にも言わないって約束したもの」

「サクラ頼む。教えてくれないか?」

「もちろんいいに決まってるじゃない!実はねぇ〜」

「サクラちゃんまで酷いってばよォ!!」



思わずサスケの雰囲気に押され(?)教えてしまいそうになった時、ほんのりと頬を赤く染めて、嬉しそうに微笑むユウが脳裏に過ぎった。



「……ゴメンなさいサスケくん。やっぱり私には教えられないわ」



ズーンと沈み込んだサクラに、サスケは内心舌打ちを打った。
結局、サスケとカカシ、ナルトは、カカシの嗅覚を頼りに尾行することに。



「善は急げだ!行くぞ2人共!!」

「え〜、マジでやんのかよ……」

「ホラさっさとしろウスラトンカチ」


「ホント、なんだったのかしら……ん?」



慌ただしく駆け出した三人を見送ったサクラの視界に顔なじみの2人の姿が映り、何かを閃いたようにイイ笑顔を浮かべた。



「!そうだわ……私ってば天才♪」






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